こども大綱策定に向けて議論始まる 有識者会議

こども大綱策定に向けて議論始まる 有識者会議
こども大綱策定に向けて意見を交換した有識者会議
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 こども基本法に基づく政府のこども大綱の策定の方針を検討する、内閣官房のこども政策の推進に係る有識者会議が9月13日、オンラインを交えて開かれた。冒頭のあいさつに立った小倉将信こども政策担当相は「こども家庭庁が、子供政策をわが国社会の真ん中に据え、子供目線に立って縦割りを廃した行政を進めるための強力な司令塔となるよう準備を進めていきたい。こども大綱の策定にあたっては、さまざまな方々の声に耳を傾けながら、十分な検討をしていきたいと考えている」として、今年度中に大綱策定に向けた議論を取りまとめる方針を明らかにした。

 先の国会で成立したこども基本法には、子供施策に関する基本的な方針や重要事項をこども大綱で定めることとされている。この中には従来別々となっていた少子化社会対策大綱、子ども・若者育成支援推進大綱、子供の貧困対策に関する大綱の内容も含まれる。こども大綱は首相を長とする閣僚会議であるこども政策推進会議が案を作成し、閣議で決定される。今年度の同有識者会議では、こども政策推進会議による大綱案作成に向けての方針作りのための土台となる議論を行い、その結果をまとめてこども家庭庁へと引き継ぐことを目的としている。

 同会議では有識者による議論のほかに、小倉担当相が「こどもまんなかフォーラム」として直接、子供や若者などから意見を聞くほか、子育て当事者やNPOなど民間団体からも聴取していく。さらに小倉担当相による視察なども重ねて、子供・若者に係る課題を同会議で共有し、議論を深めていくという。来年2月に予定される次回の同会議で報告される予定。さらに同年3月に議論の結果を、こども家庭庁への申し送りとして取りまとめることにしている。

 それ以後はこども大綱の策定作業が本格化し、同年4月にはこども政策推進会議で大綱の作成方針が決定される。そして子供・若者からも意見を募った後、夏ごろに大綱案が作成され、秋ごろには閣議決定される見込みとなっている。

 この日の会議終了後、小倉担当相は「子供政策はいろいろな皆さん方が、国民運動として当事者意識を持ってもらわねば実現し得ない課題だと思っている。今回の構成員の皆さんにはこの国民運動を展開すべく、ぜひ協力をお願いしたいということを申し上げた」と述べた。

 こども政策の推進に係る有識者会議の構成員・臨時構成員は次の通り。

[構成員]秋田喜代美(学習院大学教授)、荒瀬克己(独立行政法人教職員支援機構理事長)、古賀正義(中央大学大学院教授)、佐藤博樹 (中央大学大学院教授)、清家篤(座長、日本赤十字社社長)、宮本みち子(放送大学名誉教授・千葉大学名誉教授)

[臨時構成員]青木康太朗(國學院大學准教授、独立行政法人国立青少年教育振興機構客員研究員)、上鹿渡和宏(早稲田大学教授、同大学社会的養育研究所所長、児童精神科医)、菅野祐太(認定NPO法人カタリバ、大槌町教育専門官)、北川聡子(社会福祉法人麦の子会理事長・総合施設長)櫻井彩乃(Torch for Girls 代表、#男女共同参画ってなんですか代表)、田中れいか (一般社団法人ゆめさぽ代表理事)、谷口仁史(認定 NPO 法人スチューデント・サポート・フェイス代表理事)、土肥潤也(NPO 法人わかもののまち事務局長)、中島かおり(NPO 法人ピッコラーレ代表理事)、中室牧子(慶應義塾大学教授)、堀江敦子(スリール株式会社代表取締役)、松田妙子(NPO 法人せたがや子育てネット代表理事)、山口慎太郎(東京大学大学院教授)、吉村隆之(鹿児島大学准教授、鹿児島県スクールカウンセラー)、李炯植(NPO法人 Learning for All代表理事)、渡邉正樹(東京学芸大学教職大学院教授)

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