小中学生が小倉担当相と対話 こども大綱策定に向け

小中学生が小倉担当相と対話 こども大綱策定に向け
こどもまんなかフォーラムで小倉担当相(中央)に意見を話す子供たち
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 こども基本法に基づく政府のこども大綱案策定の方針作成に向けて子供の意見を直接聞く、内閣官房の「こどもまんなかフォーラム」第1回が9月22日開かれ、出席した小中学生から子供目線で身の回りや友人たち、社会のことなど、さまざまな意見がざっくばらんに語られた。

 こども基本法に規定されている、子供施策に関する基本的な方針や重要事項を定めるこども大綱は、首相を長とするこども政策推進会議が案を作成し、閣議で決定される。現在、内閣官房「こども政策の推進に係る有識者会議」で大綱案策定の方針作りの土台となる議論を行い、その結果をまとめて来年4月発足のこども家庭庁へと引き継ぐこととしており、フォーラムの開催はそのための参考意見を当事者である子供から聞くことが目的。

 この日のフォーラムに出席したのは小倉将信こども政策担当相、自見英子内閣府大臣政務官、伊佐進一厚労副大臣、伊藤孝江文科大臣政務官のほか、小学5、6年生4人、中学生4人の計8人(うちオンライン参加2人)。

 会議の冒頭、小倉担当相は「この国の形というのは、これまでもしかしたら大人中心で決めてしまってきたかもしれない。そこでこの国、社会の形を子供真ん中に作り変えていこうという目的でできたのが、こども家庭庁という組織。私たちは子供、若者にとって何が最もいいことかを子供、若者の目線で考えて、政府のさまざまな仕事をリードしていく、そういう組織にしたいと思っている。そのためのこども大綱という政府の大きな方針に、皆さんの意見を反映していきたい」とあいさつ。

 内閣官房によると、この日の会合では子供たちから寄せられた意見に対して、小倉担当相らが聞き役に徹していたという。

 子供たちは「誰もが伸び伸びと成長できるようにしてほしい。ヤングケアラーや家庭の事情で勉強ができない子供や虐待を受けている子供たちは弱い立場にあって声を上げられないので、こども家庭庁は門戸を開いていってほしい」「家庭の事情があったり、貧困であったりしても頑張っているみんなが、幸せに生きられるような社会や制度にしていってほしい」「学校の内科検診は男性のお医者さんが見てくれるけど、私は女性だから女性のお医者さんに見てもらいたい」など、日ごろ抱いている思いを披露。

 さらに「例えば習字や裁縫セットというのは、1人1セット買っているが、貸し出し形式などにしたら無駄が減るのではないか。また学校から色指定されてしまうとお下がりができない」「学校で女子のトイレは個室が少ないし、便座が冷たいのを何とかしてほしい」「虐待を減らしていくには、大人との関わり合いを持てる居場所があることが大事なのではないか」「気軽に相談ができたり、ご飯が食べられたりできるような場所があれば、貧困で困っている子供とか、虐待を受けている子供も悩みが相談しやすくなって解決できるのではないか」「公園にフリーWi-Fiを入れてもらえれば、タブレットが1人1台配られているから公園で友達と宿題ができる」「いま1番なりたい職業のユーチューバーに子供の権利を説明してもらって、小倉担当相にも出演してもらうといい」など幅広い角度から意見が伝えられた。

 これらの意見を受け、小倉担当相は「具体的で建設的な意見をたくさん話してもらい、また他の人の意見もしっかり聞いて自分の意見を言ってくれて、とてもうれしかった。こども家庭庁は子供の意見を聞いて、大人中心であるところを変えていきたい。これからも子供と大人が同じ目線でこうやって話せる場を作っていきたい」と結んだ。

 フォーラムは今後、高校生や大学生以上の若者なども対象として、あと5回開かれる予定となっている。

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