自民党文科部会は10月13日、会合を開き、政府が月内に取りまとめる予定の総合経済対策における文科関係の重点事項について大きく5項目を要望することとし、了承された。高度人材育成のための基金の創設や若手研究者の支援、研究開発の基盤整備などが盛り込まれている。
重点事項は▽大学・高専の学部再編や機能強化などによる高度専門人材の育成▽GIGAスクール構想や教員研修の高度化など教育DX の推進▽科学技術・イノベーションの促進▽文化芸術・スポーツの振興▽防災・減災・国土強靭化のさらなる推進など、国民の安全・安心の確保――の5項目。
このうち高度専門人材の育成では、意欲のある大学・高専が学部の再編による成長分野への転換や、トップレベルのデジタル人材育成に向けた機能強化に取り組むことができるよう、施設設備の初期投資や新たな教員の雇用のための人件費などについて、継続的に支援するための基金を創設することを求めた。
教育DXの推進については、1人1台端末を用いた効果的な実践例の創出・横展開、GIGAスクール運営支援センターの機能強化やデジタル教科書・教材のさらなる活用のための通信環境調査、校務のデジタル化による学校の働き方改革、デジタル技術も活用した教員研修のさらなる高度化を盛り込んだ。
また、大学や学問領域を超えた連携により、特定分野において世界トップレベルの研究を推進する機能や、産学官・地域連携による社会実装を担う機能など、地域大学の強みや特色を伸ばしながら、それらを核とした戦略的経営を後押しし、研究力の厚みを強化するため新たな基金を創設することも提言した。
さらに将来有望な若手研究者が挑戦的な研究に集中して取り組めるよう、創発的研究支援事業において長期的な視点で評価を行って充実を図り若手研究者を支援することや、AI分野、健康・医療分野、宇宙分野、防災分野、原子力分野などの戦略的な重要分野の研究開発とそれらを支える研究機関の基盤整備を推進することも求めた。
また、子供たちがスポーツ・文化活動に継続して親しむ機会を確保できるよう、休日の部活動の地域連携や地域スポーツ・文化クラブ活動移行に向けた取り組みを推進することにも触れた。
幼稚園や保育所の送迎バスの安全対策として、送迎バスを保有する幼稚園、認定こども園、特別支援学校において、安全管理マニュアルの作成や職員への研修、登園管理システムの普及を行うとともに、設置が義務付けされた安全装置の整備などを支援することも求めた。