「ヒヤリハット事案の共有を」 広島・児童バス置き去りで

「ヒヤリハット事案の共有を」 広島・児童バス置き去りで
閣議後会見する小倉こども政策担当相
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 小倉将信こども政策担当相は11月11日、閣議後の会見で、前日に判明した広島市の特別支援学校でスクールバスに児童が取り残された問題について、「今回のようなヒヤリハット事案の施設内での共有を徹底してもらうと同時に、事例を蓄積し他の施設と共有することも重要だ」と述べ、送迎バスを運行する各施設に対して注意喚起するとともに、ヒヤリハット事案を隠さず、事故の防止につなげていくことを求めた。

 送迎バスの置き去り事案は、今月2日に岩手県一関市の小学校でも小1児童が一時バス内に置き去りにされ、自分でクラクションを鳴らして無事保護されたことが分かったばかり。広島市では、今月1日に市立特別支援学校の小学部児童が、登校時に降車する際の確認漏れでバスの中に45分間取り残されていた。

 同市教委によると、当時バスには介助員2人が同乗していたが、それぞれ相手が児童の降車を確認したと思い込み、さらに運転手もそれを信じ車庫へ出発。児童の不在に気づいた学級担任がバス会社へ連絡し、運転手が車内にいた児童を確認、保護した。児童の健康状態などに問題はなかった。

 政府が静岡県牧之原市の認定こども園での園児置き去り死亡事件を受けて、再発防止に向けた緊急対策を10月12日にまとめた後も続く置き去り事案に、小倉担当相は「繰り返し同様の事案が起きていることは極めて遺憾。緊急対策は特別支援学校に対しても地方自治体を通じて周知をしている」と述べた。

 その上で、「今回のようなヒヤリハット事案について施設内での共有を徹底してもらうと同時に、そういった事例をきちんと蓄積し、他の施設に共有することも重要であり、ヒヤリハット事案を事故の防止につなげていくことも徹底していきたい」とした。

 緊急対策では、来年4月から児童生徒の所在を確認する安全装置の設置とともに、点呼などによる児童生徒の所在確認も義務化されることになっている。

 小倉担当相は「この義務化の時期を待たず、各施設には児童生徒の所在確認を徹底していただきたい。先月作成した安全徹底マニュアルに沿った対応とともに、チェックシートを使ってバスの中で児童生徒の所在をきちんとチェックしていただきたい」と、できる安全対策は前倒しして行うよう各施設に要請。

 また、「各施設における安全管理の徹底については、各自治体を通じて行っている実地調査を含め、さまざまな機会をとらえて改めて周知を図るよう事務方に指示した。国では引き続きスピード感を持って緊急対策を着実に推進していく。各自治体においても緊張感を持って安全対策に取り組んでもらいたい」と述べた。

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