園児の出欠確認徹底求める 岸和田の置き去り死亡事故で

園児の出欠確認徹底求める 岸和田の置き去り死亡事故で
閣議後会見する小倉こども政策担当相
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 大阪府岸和田市で父親の車で保育所に登園する際に2歳女児が車内に置き去りにされ死亡した事故を受け、小倉将信こども政策担当相は11月15日、閣議後の会見で「子供の出欠状況に関する情報については、バスによる送迎を行うかどうかに関わらず、保護者への速やかな確認と職員間における情報共有を行うよう改めて周知した」と述べ、内閣府と文科省、厚労省が共同で各施設に子供の出欠確認の徹底を求める事務連絡を都道府県・政令市など関係機関に対して出したことを明らかにした。今回の事故は、保育所側から保護者側へ出欠確認が行われていれば避けられた可能性もあり、再発防止のため関係者に注意喚起した。

 この事故は11月12日朝、父親が2歳女児を車で保育所に送ろうとして預け忘れ、夕方迎えに行った際に欠席を指摘され車内を確認したところ、女児を発見。女児は車内に約9時間置き去りにされ、熱中症で死亡した。保育所側は女児の欠席について把握していたが、保護者に確認連絡をしていなかった。

 同市子育て施設課によると、事故前は出欠確認の手順について明文化されておらず、通常、子供の登園時に保護者がチェックカードに記入し、登園する予定の子供がいない場合に保護者に連絡するという方法をとっていた。事故後は記録簿を作成し、出欠に関する保護者とのやりとりを記入して職員間で情報共有するほか、責任者を決めて漏れがないかをチェック、さらに緊急連絡先に確認することなどを明文化して、各施設に周知したという。

 会見で小倉担当相は「保護者の管理下の事案であり、一義的には保護者の責任で子供の所在確認を行ってもらいたいとは思っているが、保育所においても保護者への連絡が漏れ、救えたかもしれない命を救うことができなかったということは非常に遺憾。真剣に受け止めなければいけない」とした上で、「出欠確認を義務化することについては、園に対して保護者への確実な連絡を求めると保護者が不在の場合など、今度は過度な負担を求める恐れもある。そのようなことも総合的に勘案しなければならないと思っている」とした。

 14日に行った事務連絡では関係機関に、「子供の出欠状況に関する情報については、バスによる送迎を行う子供かどうかにかかわらず、 保護者への速やかな確認と職員間における情報共有を徹底すること」「降りた子供の数を数え、全員が降りたことを確認する『こどものバス送迎・安全徹底マニュアル』のチェックシートを利用し安全管理を徹底すること」「子供の通園や園外活動のために自動車を運行する場合、子供の乗降車の際に点呼等の方法により必ず所在を確認することについて、今後、関係府省令を改正して義務付けられる予定だが改正前でも徹底すること」「事故につながりかねないヒヤリ・ハット事案が発生した場合には、施設内で事案の報告と改善策の共有を行い、事故の予防を図ること」などを求めている。

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