深刻な教員不足の問題の解消に、教育委員会と大学が連携して取り組んでいこうと、岐阜県教育委員会は11月15日、教員養成課程のある県内の大学の学長らと市町村教育長、校長との意見交換会を開き、養成、採用、採用後の一貫した取り組みを進めていくことで合意した。養成段階で、県内の大学がコンソーシアムをつくり、複数の免許状を取得しやすくするほか、新採教員への奨学金返還補助制度の創設や安心して産育休が取れる体制の整備を進める。
意見交換会には、岐阜大学などの教員養成課程を置く県内7大学の学長らをはじめ、堀貴雄同県教育長や水川和彦岐阜市教育長、名取康夫北方町教育長、同県の小中学校長会長の岩井隆司岐阜市立青山中学校校長、高等学校長協会長の石田達也県立岐阜高校校長、特別支援学校長会長の青山孝県立岐阜清流高等特別支援学校校長が出席。養成・採用・採用後の一体的な教職環境の改善を目指す「岐阜県型・教職魅力化モデル」の取り組みを協力して進めていくことで一致した。
岐阜県型・教職魅力化モデルでは、学校の働き方改革や県単独の教員定数の増員、教職員との積極的な対話、教職の魅力の積極的なアピールを進めることなどをベースに、養成、採用、採用後の各段階でさまざまな取り組みを展開していく。
養成段階では、教員として学び続けるための「学び方」の獲得や大学による学校現場実習の促進など、教職課程の改善に取り組むとともに、県内の大学がコンソーシアムを形成して、複数の免許状を取得しやすくすることや、社会人コースの設置などを促進する。
また、採用段階では県教委として、特別免許状の活用や試験内容の改善、若手社会人の採用促進など、教員採用試験の見直しに着手。任期付教員の採用の改善や常勤講師を志望しやすい環境を整備したり、新採教員への奨学金返還補助制度を創設したりする。
採用後も、計画的・育成的な校務分掌や人事異動の改善、安心して産育休が取れる体制の整備などを進め、常勤講師のサポートも手厚くする。
県教委では今後も大学などと連携して、岐阜県型・教職魅力化モデルの具体化に向けた協議を継続していきながら、実現可能な施策から速やかに実行していく方針。