生徒の自死受け部活動見直し 年間100日以上を休養日に、柏市

生徒の自死受け部活動見直し 年間100日以上を休養日に、柏市
部活動の活動方針について、改定案が示された千葉県柏市の総合教育会議
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 4年前に所管する高校で吹奏楽部に所属する生徒が自死したことを受け、部活動の活動方針の見直しを進めている千葉県柏市で11月17日、総合教育会議が開かれ、同市教委から活動方針の改定案が示された。自死に至った要因の一つとされた活動時間については原則平日3時間、休日6時間を上限とし、高校生にも原則適用としている国のガイドラインより長く設定する一方、長期休暇中の連続3日以上も含め、年間100日以上の休養日を設けるよう求めた。

 この日、市教委が示した活動方針の改定案では、「生徒が主体的に参画できるように配慮する」とした上で、活動時間を平日3時間、休日6時間を上限に設定。加えて休日については、大会前など特別な理由がある場合、事前に校長の許可を得ることで、8時間まで延長することも認めた。延長については年間80日以内とした。自主練習についても顧問の監督の下、午前7時以降の1時間以内とし、放課後部活動が終わった後は原則として行わないとした。現在、同市の活動方針で「生徒の体力、安全性を十分考慮して、適切なものとする」としている高校の部活動の時間について、具体的な数字を盛り込んだ形。

 一方で、「高校生にも原則適用」としている国のガイドラインに記された平日2時間、休日3時間よりも長時間を上限としている。活動時間について、担当した同市教委学校教育部教職員課は見直しに向けて、精神科医や大学教授などの有識者から意見を募ったと明かした上で、「柏市だけが不利になることがないよう、激変ではなくソフトランディングを求める声があった。運動部の試合時間なども考慮し、実態に即した数字にした」と説明。加えて、上限時間までの活動を推奨しているのではないと強調した。

 また年間100日以上とした休養日については、平日は毎週1日以上、休日は月2日以上の確保を求めた。大会が重なって休養日が設けられない場合は、大会終了後8週間以内で代替の休養日を設定。さらに夏休みなどの長期休暇中は、3日以上の連続した休養日が設けられるよう留意すると記した。連続休養日については「大会の影響で休めなかった場合の代替日に加え、家庭での学習時間を確保する狙いもある」(同市教委学校教育部教職員課)とした。

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