いじめ防止対策で関係府省連絡会議設置 24日に初会合

いじめ防止対策で関係府省連絡会議設置 24日に初会合
閣議後会見する小倉担当相
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 文科省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」で、2021年度の学校でのいじめによる児童生徒の生命にかかわる重大事態の発生件数が705件だったことなどを受け、こども家庭庁設立準備室と文科省は「いじめ防止対策に関する関係府省連絡会議」を設置し、11月24日に第1回会合を開く。政府として、いじめ防止対策の強化と今後の取り組みのスケジュールなどについて協議する。

 同調査によると、学校における21年度のいじめ認知件数は61万5351件で、20年度に比べ9万8188件(19.06%)増加、児童生徒1000人当たりの認知件数も47.7件(20年度39.7件)で、いずれも2年ぶりの増加となった。新型コロナウイルスの感染拡大によって制限されていた学校活動が活発化し、児童生徒間の接触が増えたことが背景にあるとみられ、中学校、高校と上がるにつれて、パソコンや携帯電話を使ったいじめが増えている特徴もある。児童生徒の生命にかかわる重大事態の発生件数は705件で、20年度(514件)より191件(37.2%)増え、小学校(314件)が初めて中学校(276件)を上回った。

 これらの結果を前に、小倉将信こども政策担当相は22日の閣議後会見で、「いじめの重大事態は過去最多に近い700件を超えるなど、深刻な状況となっている。そのような中で、子供真ん中社会の実現を目指す上でいじめを政府全体の問題として捉え直し、関係府省の連携強化も含め、これまでの延長線上を超えた対策を講じていくために、こども家庭庁設立準備室と文科省が共同議長となって新たに関係府省連絡会議を設置した」と説明。その上で、「こども家庭庁設立準備室が参加することで、警察などの関係機関との連携強化、重大事案への対応の強化、第三者制の確保、学校外からのいじめ防止対策などを強力に推進することができると承知している」とした。

 いじめ対策については、来年度からは、文科省と4月に発足するこども家庭庁が連携して取り組むことになっており、同庁は同年度予算の概算要求に「地域におけるいじめ防止対策の体制構築の推進」を盛り込んでいる。会議の設置は同庁発足後のいじめ対策も見据えたものとなる。

 24日に開催される会議では、こども家庭庁設立準備室と文科省が議長となり、構成員として警察庁、総務省、法務省、厚労省、経産省などが参加。いじめ対策について、▽年末年始をめどに再徹底を図るべき事項▽短期間で結論を得るべく検討に着手する事項▽一定の期間をかけて取り組み全体を見直していく事項――などについて議論を行う予定としている。

 小倉担当相は「学校の中だけではなくて、学校外でも広く社会でいじめを防止していくようなアプローチをどのように取れるのかという点についても、先行している地方自治体の取り組みも参考しながら、この会議を通じて考えていきたい」と述べた。

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