子どもの貧困問題への取り組みとして、今年春に「子ども給付金~新入学サポート2022~」を実施した国際NGOのセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンがこのほど公表した、同給付金の利用世帯へのアンケート結果によると、新入学の中学1年生、高校1年生の保護者の約8割が、卒業や就学で特に負担と感じる費用として「制服代」を挙げていることが明らかとなった。
同給付金は、今年4月に中学校や高校に進学予定の子どもがおり、非課税世帯または児童扶養手当全部支給受給世帯に準じており、対象となる子どもや保護者に疾病・障害がある、子どもが家族のケア・世話を担っている、日本語でのコミュニケーションに不自由がある、在留資格がない・難民申請中であるなどし、卒業・入学に関わる費用を用意することが難しい家庭に対し、申請に基づいて中1には3万円、高1には4万円を提供している。5月17~30日に利用世帯に対して行ったアンケートには、42都道府県の保護者349人が回答した。
その結果、68.0%が「対象となる子どもか保護者のいずれかに疾病・障害がある」と回答し、27.6%が「対象となる子どもが日常的に疾病・障害のある同居家族のケア・お世話をしている」と答えていた。
卒業や就学準備に関する費用で特に負担に感じているものを複数回答で挙げてもらったところ、「制服代」が最も多く77.5%、次いで「運動着代」(55.9%)や「学校用靴代」(45.8%)、「学校用カバン代」(44.4%)などの学校指定品が上位を占めた。
中1の保護者について、就学援助制度(要保護・準要保護)を利用しているかを尋ねたところ、87.7%が利用していたが、そのうち、就学援助制度で学校にかかる費用を「十分まかなえている」「まかなえている」と答えたのは30.5%にとどまり、60.8%が「あまりまかなえていない」、8.1%が「まったくまかなえていない」と答えた。
高1の保護者に対して、高校就学で心配なことを複数回答で尋ねると、44.1%が「経済的な理由により就学を続けられない可能性がある」と回答。そのうち、一番大きな負担となっている費用を挙げてもらったところ、「修学旅行費」(23.7%)が最も多かった。
また、高校の授業料無償化で実質的な授業料の支払いがない場合であっても、授業料の立て替え払いがあったと答えた家庭は41.8%を占めた。