国立教員養成大学・学部 6割超が教員に就職、文科省調査

国立教員養成大学・学部 6割超が教員に就職、文科省調査
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 文科省は12月16日、国立教員養成大学・学部(教員養成課程)の、2022年3月卒業者の教員への就職率が6割を超え、前年度よりも増加したと発表した。合わせて、22年度国私立教職大学院の入試状況も公表し、入学定員充足率が改善したことが分かった。

国立教員養成大学・学部卒業者の教員就職状況の推移
国立教員養成大学・学部卒業者の教員就職状況の推移

 全国に44ある国立の教員養成大学・学部を22年3月に卒業した1万1405人のうち、大学院などへの進学者と保育士への就職者を除いた数を母数とした教員就職率は66.9%で、前年度より1.7ポイント増加。全ての卒業者数を母数とした場合でも60.1%で、前年度より1.1ポイント増加した。

 教員に就職した6851人のうち、正規採用は5012人、臨時的任用は1839人だった。正規採用と臨時的任用の比率をみると、ここ数年、正規採用の割合が徐々に高くなっていく傾向にある。

 文科省では、教員就職率が上がった大学・学部では▽面接や集団討論の実施など、教員志望が高い学生を入学させる入試改革▽教育委員会と連携したボランティアや学校体験の取り組み▽現職教員との交流や実務経験のある教員による採用試験のサポート――などを実施していたと紹介。教員採用試験の倍率低下や教員不足を受けて、国立教員養成大学・学部への期待は非常に高まっていると評価している。

 一方で、全国に54校ある国私立の教職大学院の教員就職率は92.3%で、前年度より1.3ポイント増加。現職教員学生を除く修了者は969人(前年度比143人増)で、そのうち、教員就職者は894人(同142人増)だった。教員就職者のうち、正規採用は680人、臨時的任用は214人だった。

 また、22年度の教職大学院の入学定員充足率は84.3%で、前年度と比べて5.7ポイント増加。国立の教職大学院の入学定員充足率は86.3%なのに対し、私立の教職大学院の入学定員充足率は61.0%と開きがあった。

 教職大学院全体の志願者数は2671人(前年度比335人増)、入学者数は2148人(同221人増)で、そのうち現職教員学生は864人(同71人増)、学部新卒学生などは1284人(同150人増)で、改善傾向が見て取れる結果となった。

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