来年度から3年間を改革集中期間と位置付けて行われる、公立中学校における休日の部活動の地域移行に関して、一部メディアが対応を見直すと報じたことについて、永岡桂子文科相は12月16日、「2023年度からスタート」と閣議後会見で明言し、予定通り進める意向を改めて明らかにした。
部活動については、来年度から25年度までを改革集中期間と位置付け、重点的に支援。可能な限り早期の移行を目指している。一方で、「地域によって指導者や施設の確保が難しい」「保護者の経済的負担が重くなる」などの懸念が自治体や学校関係者から相次いだとして、一部メディアが対応を見直すと報じていた。
部活動の地域移行の必要性について、永岡文科相は会見で「少子化の中で、子供たちが継続してスポーツや文化に親しむ機会を確保するため」と説明した上で、「来年度以降の部活動の地域移行に関する取り組み、これはしっかりと進める」と強調。改革集中期間に基づき、予定通り進めていく意向を示した。
一方で、地域移行の完了時期については「25年度末に終了というのは考えていない」とした上で、「1700以上の自治体があるので、自治体と学校、教員、またPTA、地域の人々、そして文科省がしっかりと連携して、一つ一つの課題を克服していきたい」と述べ、改革集中期間終了後も地域の実情に応じて、指導や助言などといった対応を行っていく姿勢を見せた。また、改革集中期間の延長については「進捗(しんちょく)状況を見ながら検討する」と述べるにとどめた。
スポーツ庁と文化庁が策定したガイドラインでは、部活動の地域移行について、「地域の実情に応じ、当面は併存」としている。スポーツ庁地域スポーツ課は「ガイドラインのパブリックコメントにおいて、条件整備が難しいなど、いろいろな意見をいただいている」と明かした上で、「大きな改革なので、一定の期間は必要だろうというのは検討段階からあった。『可能な限り早期』は字の通りだが、引き続き様子を見ながら支援していきたい」と話す。
運動部・文化部活動の地域連携や地域クラブ活動移行に関しては、12月2日に成立した今年度第二次補正予算で19億円が盛り込まれた。これについても地域スポーツ課は「協議会立ち上げや研修など、各地の準備経費として施行していく」とし、変更がないことを強調した。