小倉将信こども政策担当相は12月21日、2023年度当初予算案を巡る鈴木俊一財務相との大臣折衝後に会見し、大規模保育所での4、5歳児担当保育士の加配補助と、登園時やプール活動などにおける保育士支援を充実させることについて合意した内容を明らかにした。小倉担当相は「幼児教育・保育の質の向上のためには、幼稚園教諭、保育士などの配置の改善を図っていくこと、子供の安全を守るために現場職員の負担を軽減していくことが重要だ」と述べた。
このうち、従来、保育所での4、5歳児の各クラスを担当する保育士の配置基準は子供30人に保育士1人となっているが、定員121人以上の大規模施設で定員を「25人以上」としている場合に、1人分年500万円を加算し、2人までの加配を可能とした。これにより4、5歳児各クラスで複数の保育士配置が可能となり、25:1以下の配置が実現する。該当する大規模園は全国の公私立保育所の18%に当たるという。
また、静岡県牧之原市の送迎バス置き去り死亡事件などを踏まえ、保育士の仕事を補助するスポット支援員を新たに配置する。具体的には、園児の見落としなどによる事故を防止するために、登園時の繁忙な時間帯やプール活動時など人手が必要な時にスポット的な業務を行ってもらう。対象は保育所、認定こども園で1カ所当たり月額4万5000円を補助する。
このほか、この日の折衝では、妊娠時から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援と、妊娠届出・出生届出を行った妊婦・子育て家庭に対する経済的支援を一体として実施する事業について、継続実施するための安定財源の確保を早急に検討することや、支援を必要とする全ての産婦が産後ケアを利用することができるよう、所得のいかんに関わらず、全ての産婦に対して利用者負担の軽減を図り、母子保健対策の推進・拡充に取り組むことなどが合意された。