被災地の映像、子どもに繰り返し見せないで 日本ユニセフ協会

被災地の映像、子どもに繰り返し見せないで 日本ユニセフ協会
iStock.com/Drazen Zigic
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 1月1日に発生した能登半島地震を受けて、日本ユニセフ協会は9日、保護者や教員など普段から子どもの身近にいる大人が実践できる「災害時の子どもの心のケア」を公表した。子どもの心を守るために被災地の映像を繰り返し見せないように呼び掛けたほか、地震の「ごっこ遊び」など災害を経験した子どもに一時的に見られる特徴などを整理した。

公表した内容は2011年に発生した東日本大震災時にまとめたものを基に、同震災の復興支援活動で得た知見を新たに盛り込んだもの。

 子どもの心のケアのポイントについて、▽「安心感」を与える▽「日常」を取り戻すことを助ける▽被災地の映像を繰り返し見せない▽子どもは自ら回復する力があることを理解し、見守る――の4つに整理した。

 被災地の映像に関しては、特に時間の感覚が発達していない年代の子どもは、過去の映像でも「今この瞬間に起きている」と思う可能性があることに触れた。また、ネットなどで情報を自発的に得られる小学3年生以上の子どもでも、被災地の映像に触れる時間が増えると、コントロールできないほど感情移入する恐れがあると注意を喚起した。

 また、災害を経験したり、被災地の映像を繰り返し見たりした子どもたちに一時的に見られる特徴も整理した。例えば、▽眠れない▽ご飯やおやつを食べない▽頭痛、腹痛などの体の不調が現れる▽保育園や幼稚園、学校に行きたがらない▽保護者から離れたがらず、甘えん坊になる―――など。さらに、地震の絵を描いたり、被災した場面の「ごっこ遊び」をしたりなどが見られる場合もあるが、遊びを通して気持ちを整理するために必要なことと説明。周囲の大人が、一緒にいる時間を増やしたり、いつも通り安心して遊べる環境を提供したりなど、安心感を与え、日常を取り戻せるようにサポートしながら見守るよう呼び掛けた。

 一方で、いつもと違った様子や「ごっこ遊び」などが数週間続く場合は、専門家の助けを求めるようまとめた。

 全文は公式ホームページから確認できる。

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