子どもの権利に基づく学級目標 ユニセフがCREの研修会

子どもの権利に基づく学級目標 ユニセフがCREの研修会
CREを取り入れた学級目標づくりの効果について話す野崎校長(左)
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 こども基本法の成立などにより、日本でも子どもの権利の重要性が再認識される中、日本ユニセフ協会は1月20日、CRE(子どもの権利を大切にする教育、Child Rights Education)をテーマにした研修会を都内で開いた。今年度にCREに基づく学級目標づくりに取り組んだ東京都西東京市立保谷小学校の実践が紹介され、CREによって子どもたちが自己肯定感を高めながら、他者を尊重する姿勢が生まれることや、教師との信頼が高まり、安心して過ごせる教室になるなどの効果が報告された。

 CREは15年ほど前に欧州で始まった取り組みで、子どもの権利について学習し、実際に行動に移していくだけでなく、学校全体で子どもの権利を尊重した学びの環境を整えていくことが求められる。日本ユニセフ協会では2021年にCREについて解説した冊子『ユニセフCREハンドブック「子どもの権利条約」を学級経営に生かそう~子どもと先生でつくる みんなが尊重される学校・園~』を発行。国内でのCREの普及を目指している。

 この日の研修会には、全国の都道府県や政令市の教育委員会関係者ら約50人が参加し、日本の子どもたちが現在置かれている状況や教育課題とCREの関連性、実際の実践事例について説明を受けた。

 今年度、小学4年生以上の一部の学級で、4月の学級目標づくりにCREを取り入れた保谷小学校では、日本ユニセフ協会の職員から子どもの権利について学んだ後、実際に子どもの権利条約で定められている子どもの権利が解説されたカードを使って、この中で一番大切だと思う権利を考える活動を展開。日常生活の中で守られている権利と守られていない権利があることや、子どもの権利が守られるためにどんな学級を目指していきたいかを話し合いながら、合計で3時間ほどかけて学級目標を決めていった。

 同小の野崎信行校長はCREを取り入れた学級目標づくりについて、「学級目標をつくるとき、子どもたちは『こんなのがいいな』『こういうことをされるのは嫌だな』といった感覚的な発想は持っているが、子どもの権利条約の視点に基づいて考えていけるようになったことで、感覚的だったことをより深く捉え、より自分の気持ちが表れた学級目標にすることができていた。子どもたちだけではなく担任にとっても、子どもの権利を通して子どもたちへの思いを伝えられる」と振り返り、CREによって学級の中に安心感が生まれ、みんなで話し合おうという雰囲気になると強調した。

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