夜間中学の約8割 不登校生徒の受け入れ「検討してない」

夜間中学の約8割 不登校生徒の受け入れ「検討してない」
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 全国の小中学校における不登校児童生徒が過去最多になるなど、不登校問題が大きな教育課題となる中、不登校生徒の受け入れについて、夜間中学の約8割が検討していないことが1月23日、文科省の実態調査で分かった。夜間中学の数については、2020年1月の前回調査に比べ、7校増加した。

 実態調査は都道府県や政令市などの教育委員会や夜間中学を対象に、昨年5月1日時点の状況を調べた。

 

 不登校生徒の受け入れに向けた検討状況を尋ねたところ、受け入れていると回答したのは3校で、内訳は▽不登校特例校として受け入れている 2校▽教育支援センター的機能として事実上受け入れている 1校。検討開始予定と答えたのは6校にとどまり、全体の約8割に当たる31校は「検討していない」と回答した=図表

 結果について、文科省初等中等教育局初等中等教育企画課は「日本国籍を有しない人や中学校教育を修了していない人など、本来のメインターゲットを重視し、受け入れる余裕がなかったり、学齢期の不登校生徒については特例校を別に設置したりするなど、自治体それぞれの事情があると思う」と分析した。

 夜間中学における不登校生徒の受け入れについては、文科省が16年に「本人の希望を尊重した上での受入れも可能」と通知しており、昨年3月には、香川県三豊市立高瀬中学校の夜間学級が夜間中学初の不登校特例校に指定されている。

 また、全国の夜間中学の数は20年1月の前回調査に比べ7校増加し、40校となった。都道府県や政令市の教育委員会に設置状況を尋ねたところ、新設に向けた検討・準備を進めていると回答したのは18自治体にとどまった。

 文科省は2027年4月までに、全ての都道府県と政令市に夜間中学を設置することを目指しており、「今後も設置促進・充実に向けた取り組みを進めていきたい」としている。

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