自民党文科部会は1月24日、東京都千代田区の党本部で会合を開き、次期教育振興基本計画(2023~27年度)の審議経過報告について議論した。委員からは教員の処遇改善や学びの経済的支援などについて意見が出され、会合後、取材に応じた中村裕之部会長は「教育予算の確保に向けて、頑張らなければいけない」と述べ、教育投資の増加に意欲を示した。
中村部会長によると、審議経過報告に関し、▽教員の社会的地位の向上▽給食費の取り扱い▽実用的な英語教育▽インクルーシブ教育の体制――などについて、委員から意見が出たという。
このうち、教員の社会的地位の向上については、次期教育振興基本計画の審議経過報告においても、計画期間中の課題として、「学校における働き方改革について、取り組みを加速させていく必要がある」とし、さらに5つの基本的な方針の一つ、『計画の実効性確保のための基盤整備・対話』の中の一文で、「本年度実施の教員勤務実態調査の結果等を踏まえ、給特法等の法制的な枠組みを含めた処遇の在り方を検討していく必要がある」と記されている。
また、「政府として取り扱いを考えるべき」との意見が出た、給食費を含めた義務教育における家計負担の減少について、中村部会長は「社会的な要求があるというのは、繰り返し出てくるので検討しなければいけない」と述べる一方、去年11月に同党が立ち上げると明らかにしたプロジェクトチームについては、まだ動いていないとした。
これらを踏まえた上で、中村部会長は19年度の国内総生産(GDP)に対する、就学前教育から高等教育までの公的な教育支出の割合が日本は3.0%と、OECD平均の4.9%に比べて低かったことに触れ、「いずれにしても、給特法や給食費は予算が必要な部分。OECD水準の確保に向けて努力していく必要がある」と強調。教育への投資の必要性を改めて示した。
このほか、文科省が2月中旬から3月上旬にかけて国会提出を目指している、日本語教育機関の認定等に関する法案など4法案について、2月10日くらいをめどに、審査を始めるとした。