乗降時の子供の確認など園の3~9%に課題 送迎バス実地調査

乗降時の子供の確認など園の3~9%に課題 送迎バス実地調査
閣議後会見する小倉担当相
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 静岡県牧之原市の認定こども園で送迎バスに置き去りにされた女児が亡くなった事件を受け、政府が実施していた実地調査で「保護者との連絡・職員間の情報共有」「乗降時に子供の人数・名前の確認」の課題が全国の園の3~9%であったことが1月27日、公表された。政府は同市の事故後、全国の園で送迎バスの乗降時の安全管理が適切に実施されているかどうかの緊急点検を、送迎バスを持つ全国の施設に指示。合わせて自治体に対して実地調査を要請していた。また4月から送迎バスに設置が義務付けられる安全装置に対する補助は、1台につき上限17万5000円となった。

 緊急点検の結果、全国の保育所、認可外保育施設、幼稚園、認定こども園、特別支援学校(幼稚部)など1万359施設で運行されている送迎バスは2万1348台あった。報告基準日(12月7日)時点で実地調査を実施済みの9割以上の施設について、自治体として把握した課題をまとめた。

 「乗降時に子供の人数や名前の確認を行っているか」に課題が見られたのは保育所で3.4%、認可外保育施設で6.7%、幼稚園で1.0%、認定こども園(幼保連携型)で3.9%。「子供の出欠確認にあたって、連絡がなく子供がいない場合、保護者へ確認を取っているか、子供の出欠状況について職員間で情報共有を行っているか」に課題が見られるのが保育所で2.9%、認可外保育施設で3.2%、幼稚園で1.1%、認定こども園(幼保連携型)で3.9%。乗降車の際に「子供の出欠状況を複数の職員で確認しているか」に課題が見られるのが、保育所で2.2%、認可外保育施設で6.4%、幼稚園で1.0%、認定こども園(地方裁量型)で9.5%だった。

 またバス通園の際に「見落とし防止につながる研修を園内で実施しているか」で課題が見られたのは、保育所で14.9%、認可外保育施設で13.6%、幼稚園で6.4%、認定こども園(幼稚園型)で13.4%あった。

 小倉将信こども政策担当相は1月31日の閣議後会見で、「安全管理は全ての施設で不断に徹底して行ってもらうことが必要だ。福岡県や静岡県の事故を決して風化させずに、政府の関係者それぞれが胸に刻み続け、子供の安全を守る対策をさらに進めていきたい」と述べた。

 牧之原市の事故を受けた政府の緊急対策で、送迎バスの安全装置の設置義務付けは4月からとされており、同時に乗降車時の点呼などによる園児らの所在確認も義務付けられる。政府は安全装置の設置に伴う補助については1台当たり17万5000円を限度とすることも決めた。義務化の対象とならない小中学校や放課後児童クラブなどに対しては8万8000円を限度に支援する。安全装置の機種は国交省が定めたガイドラインに沿って定められている。設置にあたって園などに対して1年間の猶予期間が与えられるが、夏の暑さを考慮し、6月までの設置が望ましいとされている。

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