中学の部活動を旅行会社が支援 オンラインや事務局運営

中学の部活動を旅行会社が支援 オンラインや事務局運営
渡嘉敷小中学校の中学生を対象にオンラインで行われた「eスポーツ」の活動(近畿日本ツーリスト提供)
【協賛企画】
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 修学旅行をはじめとする旅行業を手掛ける近畿日本ツーリストは2月1日、中学校の部活動の地域移行を支援する「部活動サポートサービス」を来年度から新たにスタートさせると発表した。自治体や中学校と連携して、eスポーツやダンスなどをオンラインで提供するほか、地域移行に際して、指導者や活動場所、参加者の手配・管理を担う運営事務局の業務委託を行う。

 コロナ禍で主軸の旅行業が厳しさを増す中、同社では新規に「未来創造事業」として、さまざまなビジネス分野において旅行業で培ったノウハウを生かした新規参入を進めており、その一つである「学校サポート事業」では昨年8月、PTAの業務のアウトソーシングサービスを始めた。今回の「部活動サポートサービス」はその第2弾として位置付けられ、同社では今後、学校向けに授業や業務を支援するサービスにも乗り出す予定だ。

 「部活動サポートサービス」では、企業などと連携してeスポーツやダンス、ドローン、ヨガなどの、これまでの中学校の部活動にはあまりみられないプログラムをオンラインで行う。少子化で部活動の数が減少する中で、中学生に多様な選択肢を提供する。

 また、教育委員会や中学校から業務委託を受ける形で、部活動の地域移行が実施された後に、受け皿となる指導者の登録や手当の支払い、活動場所の手配、参加者の出欠管理、活動費の徴収などを担う部活動運営事務局のサービスも始める。将来的にはAIを用いたスポーツ無人撮影システムなど、最新技術を取り入れたコンテンツの提供も視野に入れる。

 オンラインによる部活動のプログラムの提供に関しては、すでに沖縄県渡嘉敷村立渡嘉敷小中学校の中学生を対象にeスポーツとダンスのトライアルを実施しており、「部活動サポートサービス」を担当する同社教育・団体旅行部の宮崎敏行さんは「(トライアルでは)協力会社に全8回のプログラムをしっかりつくってもらって提供した。今回はトライアルなので、最終回をやった上で生徒や保護者に意見を聞く予定だ。部活動は基本的に習い事とは違い、全てをプログラム通りにやるというものではなく、生徒の自主性を求める必要があると思っている。まずは結果を踏まえて、より部活動としての形を協力会社と構築していきたい」と意気込む。

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