学校数、生徒数ともに年々増加するなど、通信制高校の需要が高まる中、60代の6割以上が好印象を持つなど、50代以上の高年層でイメージが好転していることが、通信制高校の検索サイトを運営するクリスク(東京都品川区)が2月7日に発表したアンケート調査の結果で分かった。同社の前回調査と比べて、若い世代では好印象の割合が若干低下したものの、全体としてはわずかに上昇した。
調査は全国の15~69歳の計300人(10~60代まで各年代50人ずつ)を対象に昨年12月19日、インターネットで行った。
通信制高校のイメージを尋ねたところ、「とても良い」と「良い」の合計は45.00%で、前回に比べ、1.33ポイント上昇。年代別にみると、60代が64%(前回42%)、50代が48%(同40%)でともに前回調査を上回った。60代については、前回は30~50代と変わらない数字だったが、今回は全世代で最も高くなった。それ以外の世代では前回より減少。10代、20代は4割以上が好意的に見ているものの、30代、40代は3割にとどまった=図表。
具体的には、「働きながら学べそう」(37.33%)、「自分のペースで学べそう」(31.00%)などの好意的な声の一方、ネガティブな印象として、「自分で勉強するのが大変そう」(21.33%)、「進学するのが難しそう」(17.67%)などが挙げられ、同社は「入学のしやすさや自由度を評価する反面、学習に関連する部分において、不安視する声が多い」とした。
通信制高校に通う生徒のイメージについては、「仕事やアルバイトをしている」(56.00%)、「高校中退した人」(52.67%)、「不登校経験がある人」(49.67%)が上位を占めた。一方で、「やりたいことに時間を使う人」(28.67%)が前回調査から7.34ポイントと最も増加。「仕事やアルバイトをしている」が前回より5.33ポイント減少していることもあり、同社は「通信制高校が働きながら学ぶ生徒のイメージから、やりたいことや芸能活動など目標や夢にチャレンジする生徒のイメージへと少しずつ変わってきていると言えるかもしれない」と分析した。
また、同社は通信制高校について、「生徒一人一人の興味を尊重した学びや、多彩な教育を提供する学校が続々と増えている。生徒数も今後さらに伸びていくことが予想され、各学校は他校との違いやメリット、学校のシステムをより明確にしていくことが求められる」とまとめた。
アンケート調査のほかの項目結果については同社の運営するホームページ「通信制高校ナビ」で確認できる。