東京都では2月10日、大雪警報が発表される中、多くの私立高校で一般入試が行われた。遅延や延期といった目立ったトラブルは都には報告されなかったものの、帰宅に影響が出る学校もみられた。11日明け方まで警報が出ている可能性があり、交通機関に乱れが出る恐れがあることから、一般入試を行う高校では遅刻する際の専用フォームを設けるほか、受験する生徒がいる中学校では教員が午前中から学校に待機するなど対応に追われた。
1247人が受験した八王子高校(八王子市)では、雪が降り始めていたものの、予定通り午前9時に試験が開始。同校によると、交通機関の乱れによる遅刻など目立ったトラブルはなかったという。しかし、午後0時40分の試験終了時に5㌢ほどの積雪があったことから、駅前までの混雑を避けるため、時間差での退場を実施。最大で30分程度待つ生徒もいたという。
11日も予定通りに開始するとしており、522人が試験に臨む予定。同校によれば、午後5時現在で10㌢ほど積雪しているということで、交通機関の乱れにより、午前9時の開始時刻に間に合わない場合のために、報告用の専用フォームをホームページに設けたほか、開始時間が遅れた場合に備え、軽食を持参するようホームページで呼び掛けている。同校の嵐悟入試広報部長は「仮に交通機関が乱れて遅刻したとしても、受験生に不利にならないように対応する。焦らずに気を付けて来校してほしい」と話した。
同じく11日に一般入試を行う上野学園高校(台東区)もホームページで、予定通り実施することを発表するとともに、「時間に余裕を持ち、安全に気を付けて来校してください。電車遅延など何かありましたら、落ち着いて学校までご連絡ください」と呼び掛けた。同校も交通機関の乱れによる遅刻に対しては、不利になることがないように対応するとしている。
多摩地域にある武蔵村山市立大南学園第四中学校(清水実校長、生徒356人)では10日、約40人の生徒が高校受験に挑んだが、遅刻などの影響はなかった。同校によると、登校時は雪が積もっていなかったものの、次第に強まり、午前11時半ごろには校庭に3㌢ほどの雪が積もったという。そのため、約20人が受験に臨む予定の11日も、交通機関の乱れなどで生徒に影響が出た場合に備え、3年生の教員が学校に待機することを決めた。
東京都生活文化スポーツ局私学行政課によれば、10日午後5時現在で、10、11日の私立高校の入試に関して、遅延や延期の連絡は入っていないとしている。
気象庁はこの日、午前10時半過ぎに、小笠原諸島と伊豆諸島を除く全域に大雪警報を発表。多摩都市モノレール線では午前から遅延が発生したほか、JR青梅線では降雪により竹が倒れた影響で一時運転を見合わせた。同庁が午後5時に発表した早期注意情報によれば、11日の午前6時まで警報を発表する可能性が高いとしている。