今春高卒予定者の就職状況、前年より微減 感染者増も影響

今春高卒予定者の就職状況、前年より微減 感染者増も影響
iStock.com/maruco
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 文科省は2月17日、今年度の高校卒業予定者の就職内定状況(2022年12月末現在)を公表した。就職内定率は90.9%で、前年の同じ時期より0.5ポイント減少した。文科省は「昨年10月から11月にかけて、前年よりも新型コロナの感染者数が増えたことが要因の一つ」と説明している。

 文科省では、高校生の就職問題に適切に対処するための参考資料を得る目的で、高校卒業予定者の就職内定状況を10月末と12月末、3月末の毎年3回調査している。

 全国の国公私立の高校および中等教育学校(全日制・定時制)を調べたところ、2022年12月現在の就職希望者数は13万7685人(前年同月14万7435人)で、このうち就職内定者は12万5171人(同13万4727人)だった。男女別の内定率は男子91.7%(前年同月比0.8ポイント減)、女子89.5%(同0.1ポイント減)。

 都道府県別で見ると、内定率の高い県は▽富山県(97.8%)▽三重県(96.6%)▽佐賀県(96.2%)▽福島県(96.1%)▽愛知県(95.6%)▽山口県(95.3%)。一方、内定率の低い県は▽沖縄県(67.9%)▽神奈川県(81.1%)▽東京都(83.8%)▽高知県(84.5%)▽千葉県(85.0%)▽福岡県(85.4%)――となっている。

 就職内定率が減少した理由について、文科省初等中等教育局児童生徒課は「求人数はコロナ禍以前の水準まで回復している」とした上で、「昨年11月に感染者数が増えたことにより、就職活動が後ろ倒しされたのが要因の一つ」と説明した。加えて、新型コロナの影響が少なくなったことで大手企業も高卒の求人を出し、そういった企業では採用倍率が高くなっていたという報告が複数の教育委員会からあったという。

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