1年生の学生生活充実度が過去最高に コロナ前に回復か

1年生の学生生活充実度が過去最高に コロナ前に回復か
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 大学への登校日数がコロナ禍前の9割近い水準にまで回復し、学生生活の充実度も改善していることが3月1日、全国大学生活協同組合連合会が行った第58回学生生活実態調査で明らかとなった。1年生の学生生活の充実度が特に高く、9割が「充実している」と回答。比較可能な1983年以降で最も高かった。

 調査は昨年10~11月に、全国の国公立・私立大学の学部生に実施。地域・大学設置者・大学の規模などを考慮し、経年変化を正確に把握するために指定した30大学生協の9126人の回答を分析した。

 最近1週間の授業形態を聞いたところ、全て対面授業と回答したのは34.7%で、前年よりも23.0ポイント増加した。一方で全てオンライン授業の割合は1.2%で、前年比10.7ポイントの減少となった。対面授業とオンライン授業の両方がある割合は54.8%で、前年と比べて13.4ポイント減少したが、そのうち「同じ日に対面とオンラインの授業があった」と答えた割合が84.7%あり、学生からは受講場所に困っているなどの声が寄せられているという。

 こうした対面授業の増加に伴い、学生の最近1週間の登校日数の平均は3.9日となり、前年よりも1.1日増え、コロナ禍前の19年時点での4.4日に近づいた。キャンパス対面時間も6.5時間で前年より0.6時間ほど増加したが、コロナ禍前である19年の7.4時間と比較すると約1時間減少していた。サークル・部活動などへの加入・所属率は58.4%で、前年と比べ1.5ポイント減少。コロナ禍前の19年と比べると9.7ポイント低くなっている。

 学生生活が「充実している」「まあ充実している」と答えた割合は87.5%で、前年よりも8.9ポイント増えた。学年別では▽1年生 90.5%(前年比9.9ポイント増)▽2年生 87.4%(同16.6ポイント増)▽3年生 84.4%(同5.5ポイント増)▽4年生 87.1%(同2.6ポイント増)――と、どの学年でも上昇していた。 

 1年生の学生生活の充実度が比較可能な83年以降で最も高かった要因について、同連合会の中森一朗専務理事は「昨年春に入学した1年生は、コロナ禍のため高校生活の中で文化祭も体育祭も修学旅行も制約があった。これらが大学生活で復活したことが、こういった傾向につながっているのではないか」とみている。

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