文科省は、教員養成学部・学科の基幹教員のうち2割を、学校現場での実務経験を有する実務家教員とするよう、大学設置基準の一部を改正する省令案・告示案を示し、3月1日からパブリックコメントの募集を開始した。提出期間は3月31日まで。昨年12月の中教審答申を受けたもので、文科省はGIGAスクール構想や特別な配慮・支援を有する子供への対応など、近年の実践の変化を踏まえ、「学校現場の優れた実践者が教員養成に関わることを推進する」と説明している。
文科省によれば、実務家教員とは「専攻分野におけるおおむね5年以上の実務の経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有する者」と定義されており、同省の調べでは、2022年時点で、国立教員養成大学・学部での実務家教員の割合は16.1%となっている。
昨年12月に中教審が取りまとめた答申「『令和の日本型教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」では、「変化の激しい時代にあって、学校現場の優れた実践者が教師養成に関わることは意義のあることであり、教師の養成について理論と実践の往還を重視した好循環を実現していくことが求められる」として、教員養成学部での実務家教員の割合を「おおむね2割程度以上」とすることが提言されていた。
今回の省令・告示の施行期日は今年10月1日。経過措置として、24年度・25年度の設置認可の申請や届け出には、改正前の規定を適用する。パブリックコメントの募集は、「電子政府の総合窓口(e-Gov)」の意見提出フォーム、または郵送・電子メールで3月31日(必着)まで受け付ける。意見募集要項、省令案などはe-Govのウェブサイトで確認できる。