小倉将信こども政策担当相は4月4日の閣議後会見で、岸田文雄首相が少子化対策を検討する「こども未来戦略会議」の設置を打ち出したことについて、「同会議では今回の試案(たたき台)を踏まえて必要な政策強化の内容、予算・財源についてさらに議論を深めることにしている。担当大臣として、今回の試案を具体化する過程を通じて国民の理解が得られるよう、議論を進めていきたい」と述べ、財源の裏付けを含めた「異次元の少子化対策」の具体策取りまとめに向けて意欲を示した。
小倉担当相からたたき台の報告を受けた岸田首相は3月31日、記者団に対し、全世代型社会保障構築本部の下に関係閣僚、有識者、子育ての当事者、関係団体などが参加する「こども未来戦略会議」を設置し、自ら議長を務めることを明らかにした。この会議では、6月に来年度の予算編成方針となる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定するまでに、将来的な子供・子育て予算を倍増する大枠を示す、としている。近く会議の初会合が開かれるとみられる。
小倉担当相は会見で「総理をヘッドとする会議の下で、このたたき台を踏まえて議論を強化するということは、総理の並々ならぬ意欲の表れだと思っている。子供政策についてはこども家庭庁が司令塔機能を担うが、政府全体でワンチームとして、これからも議論を深めていけるよう努力していきたい」と述べた。
こども家庭庁の発足に伴い、担当相には子供施策に関して他省庁に対する勧告権が付与された。この勧告権の行使について、小倉担当相は「こども家庭庁が発足する前から、例えばいじめの問題あるいは不登校対策について、文科省と一緒になって会議体を作り、あるいはわれわれからオブザーバー参加する形で一緒になって議論を進めてきた。そういう意味では、こども家庭庁の役割は、子供政策の司令塔になるということと、政府の中で狭間に陥ってしまうような分野についてしっかりとフォローすることだ」と指摘。
その上で「第一はしっかりと政府部内で調整をし尽くすということ。勧告権の行使に関しては、手段が目的化してしまってはいけない。ただそういった調整をした上で、なお必要があれば、子供の最善の利益を考えてちゅうちょなく勧告権を行使すべきだというのが私の考え方だ」と説明した。