永岡桂子文科相は4月5日、今月発足したばかりのこども家庭庁を訪れ、小倉将信こども政策担当相と不登校対策の連携強化に向けて意見交換した。永岡文科相は3月末に公表した「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策『COCOLOプラン』」について説明。小倉担当相も文科省とこども家庭庁が足並みをそろえて協力していく方針で一致した。
「COCOLOプラン」では▽不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える▽心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援する▽学校の風土の「見える化」を通して、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする――の3つの柱を軸に、不登校により、学びにアクセスできないこどもをゼロにすることを目指す。近く、文科省では永岡文科相を本部長とする「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策推進本部」を立ち上げる予定で、こども家庭庁も参画する。
この日、こども家庭庁の大臣室を訪れた永岡文科相は、小倉担当相に「COCOLOプラン」の目的を改めて説明。「このプランにおいても、こどもたちの多様な居場所の確保、こどもや保護者を支援するための知事部局と教育委員会の連携強化について、こども家庭庁が果たす役割は大変大きくなる」と期待を寄せるとともに、不登校以外の分野でも連携を深めていく必要があるとの認識を示した。
これに対し小倉担当相は「こどもまんなか社会の実現に向けて、誰一人取り残さず学びを保障するためには文科省の力が欠かせない」と強調。「こども家庭庁でも、こどもの育ちの支援、子育て支援の観点から、不登校のこどもも含めた全てのこどもの多様な居場所づくりの推進、こどものデータ連携の推進、こども家庭センターでの不登校相談における、教育支援センターとの連携強化などを通じて、教育部局と福祉部局の連携強化を促していくことにより、文科省の取り組みと緊密に連携していきたい」と述べ、これまで、こども家庭庁設立準備室として文科省と連携して取り組んできたいじめ防止対策やこどもの送迎バスの事故防止対策などと共に、不登校対策でも連携を強化していくべきだと応じた。
また、小倉担当相はこども家庭庁が約1万人のこども・若者から意見を聞く事業として始めた「こども若者★いけんぷらす」を紹介。「ぜひこの不登校対策についても、広くこどもや若者の意見を集め、そして、文科省の取り組みにも意見を申し上げさせていただきたい」と、不登校対策にもこどもの意見を反映する重要性を提案した。