政府の規制改革推進会議の下に設置された「人への投資ワーキンググループ」は4月17日、第12回会合を開き、学校における外部人材の活用拡大と教員の役割の見直しをテーマに議論した。会合後に取材に応じた内閣府の担当者によれば、文科省がさまざまな働き方改革の取り組みを打ち出す一方で、教員の長時間労働が依然として大きな課題となっており、「取り組みが学校現場の実態と乖離(かいり)している」として、委員から、より踏み込んだ実態調査や効果検証を求める声が上がったという。
内閣府の担当者によれば、文科省側からはスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、スクールロイヤーなど外部専門人材との連携、特別免許状の活用状況などに加え、学校・教員が担う業務の役割分担・適正化のための「3分類」(基本的には学校以外が担うべき業務、学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務、教員の業務だが負担軽減が可能な業務)に基づいた働き方改革を進めていることや、現在、教員勤務実態調査を行っていることが報告されたという。
これに対し、委員からは学校の働き方改革について「文科省はさまざまな取り組みを打ち出しているが、現場の実感と乖離している」といった意見があったという。働き方改革や外部人材の活用などの調査についても、「学校現場を訪問する実地調査が必要ではないか」「勤務時間だけでなく、心理的負担が大きい業務を調査することが望ましい」「予算を確保するために『効果があった』という結果に誘導されがち。効果検証の在り方を精査すべきではないか」など、より踏み込んだ実態把握を求める声が聞かれたという。
他にも、「外部人材の活用では、スタッフを連携させるため、学校管理職のマネジメント研修が重要になる」「教員志望の学生が学校でスタッフとして働き、単位が修得できるようにすることが有効では」といった意見が寄せられた。さらに「終業時間間際に休憩時間が設定されることについてどう考えるか」といった質問があり、文科省からは、現在進めている教員勤務実態調査で把握する意向が示されたという。
同調査では、時間外在校等時間や授業準備時間など最新の勤務実態の把握のほか、教員業務支援員や校務支援システムなどのICT活用など、さまざまな施策の効果を分析することとしており、5月までに速報値を取りまとめる。内閣府の担当者は「関心の高いテーマ。調査結果を踏まえて再度、議論する可能性も考えられる」と述べている。