東京都教育庁によると、4月7日時点で都内公立小学校において約80人の欠員が生じていることが分かった。都では昨年度同時期には約50人の欠員が生じていたが、今年度はさらに増加。都教育庁人事部の担当者はその要因について「想定よりも普通退職者や病気休職者が多く出た」と分析している。また、約80人の欠員については、学校が代替教員を探すのではなく、都教育庁と東京学校支援機構(TEPRO)が連携するなどして人員を確保し、配置していくとしている。
都教育庁は各学校に必要な教員数について学級数などを基に決めており、今年度の必要な教員数が4月7日時点で確定した。新規採用者を割り当てても不足する場合は、期限付任用教員採用候補者名簿登載者から補充していくが、それでも公立小学校の欠員が約80人に上った。なお、公立中学校、都立高校においては目立った欠員は出ていない。
都教育庁人事部の担当者はその原因について、「大きくは2つあると考えている。定年退職者以外の普通退職者と、病気休職者が想定していたよりも多かったことだ」と説明した。
今後は、欠員が出ている学校に対して、学級担任を優先配置し、専科教員や加配教員については、時間講師での対応などを検討してもらう。また、外部人材の配置を可能にするよう準備を進めており、都が独自で進めている副担任業務を担う支援員(エデュケーション・アシスタント)や副校長補佐の配置、スクールサポートスタッフの増員など、各校にヒアリングしながら必要な配置を進め、負担を軽減する。
都教育庁人事部の担当者は「約80人の欠員については、各学校が人探しを行うのではなく、都教育庁人事部とTEPROが連携して人員を確保し、配置を進めていく」としている。
近年では公立小教員の年度初めの欠員は、2018年度に約280人生じた。その後は目立った欠員はなかったが、昨年度は再び約50人の欠員が生じていた。こうした状況に対し、都教育庁では今年度から全校種を対象に、年度中のいつからでも産休・育休代替教員を4カ月前倒しで任用できるようにした。また、小学校の新人教員に特化した相談事業の充実などを進めるとしており、担当者は「教員数を減らさないための施策も講じていく」と強調した。