新年度の始まりのこの時期に、不登校の子供を持つ約6割の保護者が新しい担任教師やクラスに不安を抱えていることがこのほど、不登校専門のオンライン家庭教師「夢中教室WOW!」を展開するワオフル(福岡市)が実施した調査で分かった。
文科省の調査では、2021年度、全国の不登校の小中学生は25万人近くで過去最高となり、依然として増加傾向を示している。新年度を迎えた春先は、担任教師の交代やクラス替えに伴って児童生徒は環境の変化に伴うストレスを抱えやすく、家族ら周囲も注意すべき時期となっている。ワオフルでは、不登校経験を持つ児童生徒の保護者を対象にオンラインで「新年度についての本音調査」を4月4〜13日にかけて実施。主に小学生~中学生の保護者69人から回答を得た。
調査結果によると、新年度を迎える上での保護者の不安のうち多くを占めたのは「新しい担任」(43.0%)、「クラス・友人・環境」(15.1%)で、6割近くが新年度で担任やクラスといった環境の変化を心配している様子がうかがえた。そのほかは「健康・メンタル面の不安」(10.5%)、「不登校が続く不安」(9.3%)と続いた。
4月に入っての子供の様子については、「何かに集中して取り組むものがある」(46件)が一番多く、次に「そわそわそしている」「元気になった」と回答した家庭がそれぞれ34件(重複回答)。これは春休み中で普段不登校の子供が学校を意識する必要がなくなっていた一方で、間もなく春休みが終わることに対してそわそわしていることが多かった結果とみられている。
「不安定なことが多い(かんしゃくや突然泣き出すなど)」「新学年・将来への不安を口にする」「体調を崩してしまった(腹痛、頭痛、食欲不振、朝起きられないなど)」の回答も計30件あり、この時期にストレスを感じる子供が多くなっていることも分かった。
さらに、新年度明けの学校や支援機関に求めることとしては、「子供への理解と寄り添い」(22件)が最多だった。次が「引き継ぎ連携」(14件)で、前年度まで理解・考慮してもらっていた不登校の状況について、新年度でも理解してもらえるかどうかの不安がうかがえた。
調査結果を受け、ワオフルの辻田寛明代表は「不登校になる要因は、発達障害に起因する集団生活への苦手などからいじめなどの人間関係トラブルまで多種多様。その中でより一人一人の特性・状況に合わせた対応が学校側にも求められているからこそ、担任の先生が変わるこの時期は1年の中で最も心配になりやすい時期だともいえる。子供のストレスを極力減らすためにも、教員・保護者・支援機関の間でより強い連携が求められる」とコメントしている。