今年3月時点の高校生の就職率が98.0%となり、前年の同時期と比べ0.1ポイント微増したことが5月26日、文科省の調査で明らかになった。一方で就職希望率は14.2%と、前年の同じ時期と比べ0.6ポイント減少した。文科省の担当者によると、就職希望者は2020年ごろから顕著に減少しており、「卒業者の減少を踏まえても、それを上回るペースで減っている。高等教育の修学支援新制度の導入などが影響し、進学希望者が増加しているのではないか」と分析した。4月1日時点の大学生の就職率は97.3%と、3年ぶりに上昇した。
調査結果によれば、今年3月の高校卒業者は96万8303人(前年同期比2.8%減)だった一方、就職希望者は13万7843人(同6.7%減)と減少幅が大きかった。就職希望者に対する就職者の割合は98.0%と、前年の同時期と比べ0.1ポイント微増した。男女別で見ると、男子が98.4%(前年同期と変わらず)、女子が97.3%(同0.3ポイント増)だった。
学科別では、工業(99.3%)、情報(99.1%)、農業(98.7%)などが高く、普通科は96.3%だった。地域別に見ると、富山県(100.0%)、福井県(100.0%)、山口県(99.7%)、香川県(99.6%)などが高い傾向にあった。
大学生の4月1日時点の就職率は97.3%で、前年の同じ時期と比べ1.5ポイント上昇した。うち国公立大学は97.4%(前年同期比1.3ポイント増)、私立大学は97.2%(同1.6ポイント増)だった。短期大学は98.1%(同0.3ポイント増)だった。また文系は97.1%(同1.7ポイント増)、理系は98.1%(同0.7ポイント増)と、文系・理系ともに上昇した。
永岡桂子文科相は同日の閣議後会見で、「大学生は新型コロナ拡大前の、過去最高値である20年3月卒の98.0%に近い水準まで改善してきた。また高校生についても、高水準を維持している」などと評価した。