生理用ナプキンを無料提供、公立3校に専用機器を設置 京都市

生理用ナプキンを無料提供、公立3校に専用機器を設置 京都市
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女子生徒の多くが月経による学業への影響に悩む中、京都市教育委員会は5月30日、公立3校に生理用ナプキンを無料提供する機器「OiTr(オイテル)」を試行設置することを発表した。同機器が公立学校に設置されるのは全国で初めてだという。同市教委は「機器に取り付けられたモニターも活用し、生理に対する理解を深めるのに役立てたい」と話す。

京都市の公立3校に設置された「OiTr(オイテル)」
京都市の公立3校に設置された「OiTr(オイテル)」

 この取り組みは龍谷大学と「OiTr」を提供するオイテル㈱(本社:東京都新宿区)が京都市教委に打診し実現。龍谷大学は学生の発案をきっかけに生理の貧困の解決に向けた取り組みを始めており、2021年にオイテルと「ジェンダーキャップ・経済格差の解消に向けた取り組みを推進する連携協定」を結んでいる。

 スポーツ庁が16年にNPO法人に委託し、千葉県の中学校・高校で女子生徒608人を対象に行った調査によると、女子生徒の8割が「月経により勉強・運動への影響を受けている」と回答。また、そのうち約3割が「月経の不調について相談しない」ことが明らかになっている。また、龍谷大学が学生に行ったヒアリングでも「生理は人によっても重さが異なるため、親にも相談しにくい」「生理について情報が少ない、知らない」という意見が挙がったという。

 「OiTr」は商業施設・オフィス・公共施設などの個室トイレに、生理用ナプキンを常備し無料で提供する機器。本来は生理用ナプキンを受け取るために専用のスマートフォンアプリが必要だが、今回の取り組みではスマートフォンアプリがなくても受け取れるように改良している。

 また、機器に取り付けられたモニターには本来、運用費を賄うための広告動画が流れているが、学校に設置される機器では生理に関する知識や情報の周知につながるコンテンツを配信。児童生徒が生理について正しい知識を得られ、一人で悩みを抱え込まずに、相談しやすい環境づくりを図る。

 機器は▽東山泉小中学校(東学舎)▽西京高校附属中学校▽西京高校――の3校に計10台設置される。費用は龍谷大学とオイテルが負担。運用は5月23日から始まっており、同市教委は「今後は機器の運用状況の調査、聞き取りを行い、経費負担なども踏まえながら、他校への設置も検討したい」と話す。

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