働き方改革動画で「保護者に伝えづらい」を解決? 岡山県教委

働き方改革動画で「保護者に伝えづらい」を解決? 岡山県教委
岡山県教委が制作した『力を合わせて学校の働き方改革を 子どもたちの笑顔のために』
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 教員の働き方改革を保護者らに理解してもらおうと岡山県教育委員会はこのほど、保護者向けの動画を制作した。県内の学校の保護者会で流したり、家庭に配布する手紙などで視聴URLを共有したりなど、教員の多忙さの実情や県の取り組みについて周知を図っている。県教委によると、これまで一部の学校から「(働き方改革の取り組みへの協力を)保護者に直接伝えづらい」という声があったという。担当者は「学校発信だと言いづらいところがある。学校単体ではなく県や市町村が一丸となって、働き方改革の趣旨を踏まえて取り組んでいることを周知させたい」と狙いを語る。

 動画のタイトルは『力を合わせて学校の働き方改革を 子どもたちの笑顔のために』。先生の幸せ研究所の澤田真由美代表が有識者として登場し、「働き方改革を推進することで、教員が教員でなければできない業務に全力投球できることが大切。それが子どもの豊かな成長につながる」などと解説。働き方改革は教員だけでなく、児童生徒の教育の充実につながることを強調した。

 教員の働き方改革を巡って、県教委の担当者は「保護者の協力は必要不可欠だが、学校からは直接お願いしづらいという声を聞く。一部の保護者から『先生が早く帰るのは、楽をしたいからだ』といった声があったと耳にしたこともある」と、厳しい学校の立場を説明。それを踏まえ動画では学校に代わり、働き方改革の取り組みの狙いを細かく解説している。

 例えば、学校行事。担当者によると、新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行したことなどを受け、保護者や地域住民から「コロナ前のように行事を復活してほしい」と熱望する声が相次いでいるという。動画では「教委ではコロナ対応での経験を生かし、これまで続いてきた学校行事であっても、その行事の目的などを踏まえた、学校行事の見直しや再編を行い、児童生徒が主体となって取り組めるよう学校行事の精選を積極的に進めるよう指導しています」などと解説し、慎重に精選する姿勢を強調した。

 他にも、教員の始業時間を踏まえた登校時間への協力や、留守番電話の導入など、教員の勤務時間を意識した取り組みについても理解を呼び掛けた。

 また、県内の教員の「時間外在校等時間」も公開。2022年の平均値は全ての学校種で5年前と比べ16~35%ほど削減しているものの、いまだに小・中・高で県などが定めた上限を超えていることなど厳しい現状を共有した。

 担当者は「学校でも県でも頑張っているが、まだ働き方改革につながっていない部分がある。県や学校にさらにできることはあるはずだが、保護者の理解や協力も必要」と述べた。

 動画はこちらから確認できる。

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