全国学力調査の解答用紙を配送時に紛失 宮城県の中学生28人分

全国学力調査の解答用紙を配送時に紛失 宮城県の中学生28人分
iStock.com/Nuthawut Somsuk
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 文科省は6月2日、今年4月18日に実施した全国学力・学習状況調査(中学校)の解答用紙の回収の過程で、運送業者が宮城県の中学3年生28人分の解答用紙を紛失する事案が発生したことを明らかにした。委託した運送業者が、別の荷物に貼付するはずだった送り状(伝票)を、解答用紙の入った段ボールに貼付したことが原因とみられる。文科省は今後、希望者に再調査を実施するほか、再発防止策として「送り状の貼付を学校担当者と確認する」としている。

 4月18日に実施された調査の解答用紙は、翌19日に内田洋行から再委託を受けたヤマト運輸が学校まで回収に行き、その場で送り状を貼付した上で、解答用紙を入れた段ボール箱を受け取る段取りとなっていた。

 しかし、宮城県名取市立閖上(ゆりあげ)小中学校では、同校9年生28人分の解答用紙が入った段ボール箱を回収した際、送り状をその場で貼付せず、他の荷物を回収する過程で、廃棄物処理業者に配送する予定の荷物に貼付するはずだった別の送り状を、誤って解答用紙の入った段ボールに貼付。解答用紙専用の段ボール箱と形状の違う段ボール箱が届いたことから、本来回収すべき段ボール箱が、誤って廃棄物処理業者に配送された可能性が高いことが発覚した。

 その後、ヤマト運輸の社員が廃棄物処理業者の工場などに立ち入り、解答用紙の捜索を行ったが、発見できなかったという。解答用紙には氏名などの個人情報は記載されていない。文科省は5月、閖上小中学校と名取市教育委員会に、6月1日には同校の保護者に、事実関係を説明して謝罪。9年生の生徒のうち、希望者に対して再度、調査を実施した上で、生徒に個人票を、学校に結果帳票を提供するとしている。

 同省は再発防止策として「解答用紙の回収のプロセスを改めて見直すとともに、今後、業務を受託する事業者に対して、学校で解答用紙を受け取る際に、送り状の貼付を学校担当者と確認しながら行うこと、及び解答用紙が正しい回収先に到着したことを速やかに確認することについて、指示を徹底する」などとしている。

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