プログラミングを学びながら英語にも親しめるカリキュラム「CodeCombat」を日本で初めて教材として採用した埼玉県にある春日部共栄中学校(小南久芳校長、生徒341人)で6月19日、同教材を用いた公開授業が行われた。生徒は課題の「繰り返し」を使ったプログラムを試行錯誤して入力しながら、ロールプレーイングゲーム(RPG)のキャラクターを動かすことに挑戦した。
「CodeCombat」は世界各地の3万校以上の学校現場で使われているコンピューターサイエンス、ゲーム開発、ウェブ開発、AIなどを学べるプラットホームで、子どもたちはRPGをプレーしながら、「Python」や「JavaScript」などのプログラミング言語を段階を踏みながら習得できる。一部のヒントなどを除き、解説やRPGは英語で書かれていることから、プログラミングを学びながら英語にも親しめるメリットがある。
同中では、IT医学サイエンスコースの2年生の生徒を対象に、今年度から日本の学校では初めて「CodeCombat」を導入。「CodeCombat」授業として3回目となるこの日は、「総合的な学習の時間」の一環でwhile文を使ったループ(繰り返し)の考え方を習得する課題に取り組んだ。生徒らは最初に英語の授業で習った「while」の意味などを確認。コード入力の場面では、英単語のスペルを間違って入力していたためにエラーが表示されていることに気付くなど、英語の学びにも一役買っていた。
授業を受けた生徒は「最初はどうコードを打てば何が出るのか探りながらだったけれど、慣れてくるとちょっとした空き時間でもどんどん進められて、ゲームとしても楽しい。英単語の意味や文章の仕組みも分かるので、楽しく英語を覚えられる」と話す。
この日、授業を行った淡川(あいかわ)直樹教諭は「プログラミングの教材は数多くあるが、コードを打って、コードを見て、コードで理解する教材があまりなく、何より楽しい。2年生でも十分に進めていける。英語を学び始めたばかりの1年生だとまだ厳しいが、2年生ならばちょうどいいのではないか」と強調。「やりたい気持ちがあればどんどん先に進んでいく。教え合ったり、影響し合ったりして、生徒同士で波及し合えるようなものになれば」と期待を寄せる。