エビデンスに基づくこども政策を立案へ EBPM研究会が初会合

エビデンスに基づくこども政策を立案へ EBPM研究会が初会合
EBPM研究会の初会合が行われた
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 こども家庭庁は6月21日、EBPM研究会の初会合を開き、エビデンスに基づくこども政策の在り方について検討をスタートさせた。同研究会では、重点プロジェクトとして、保育の質の強化、こども誰でも通園制度の導入に向けたモデル事業の評価、こどもの自殺に関するデータ分析の効果検証に取り組むとともに、こども政策においてEBPMを進める仕組みや体制、必要なデータなどを議論し、今年度末までに報告書を公表するとしている。

 こども政策のEBPMの在り方を巡っては、2021年に閣議決定したこども政策の新たな推進体制に関する基本方針において、今後のこども政策の基本理念として、データ、統計を活用したエビデンスに基づく政策立案、PDCAサイクルが掲げられている。これを受けてこども家庭庁では、EBPM推進室を新たに設置。エビデンスに基づいた政策立案の具体化に向け、EBPM研究会で検討を進める。

 この日の初会合では、今後の論点案が示された。資料によると、こども家庭庁のEBPMの仕組みを具体化するべく、モデル事業などにおける効果検証を試行するとし、今年度は①保育の質の評価②未就園児預かり事業③こどもの自殺対策--の3つを重点プロジェクトとして効果検証を実施する。こうしたプロジェクトを通じて蓄積した知見を、EBPMを進めるための仕組みや体制、政府として整備すべきデータの具体的な検討に生かしていくとしている。

 研究会での議論を踏まえ、今年度末には「こども政策のEBPMが目指す姿(仕組み、体制、整備すべきデータ)」「目指す姿の実現に向けた工程表」について、報告書を公表する。

 この日の会合の冒頭、小倉将信こども政策担当相は「私はこれまでライフワークとしてEBPMに取り組んでおり、EBPMの推進には人一倍強い思いがある。こども政策の分野は、当事者や関係者の声にしっかりと耳を傾けることと合わせて、エビデンスに基づいた議論を積み重ねていくことも重要だ。こども家庭庁ではEBPM推進室を設置したところであり、本研究会において有識者の知見を取り込みながら、こども家庭庁の業務にEBPMを実装していきたい。これまでの行政にはないような新たな仕組みを、こども家庭庁が示していきたい」とあいさつした。

 同研究会の構成員は次の通り(五十音順、敬称略)。

 阿部彩(東京都立大学人文科学研究科・教授、子ども・若者貧困研究センター・センター長)▽小林庸平(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 政策研究事業本部経済政策部・主任研究員)▽貞広斎子(座長)(千葉大学教育学部教育学科・教授)▽高橋勇太(横浜市行動デザインチーム・代表、特定非営利活動法人PolicyGarage・副代表理事)▽竹原 健二(国立成育医療研究センター政策科学研究部・部長、成育こどもシンクタンク戦略支援室・副室長)▽中室牧子(慶應義塾大学総合政策学部・教授、デジタル庁・シニアエキスパート、(公財)東京財団政策研究所研究主幹)

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