若手教員が軸となり企画 1人1台端末の研修会、茨城県

若手教員が軸となり企画 1人1台端末の研修会、茨城県
若手教員が軸となり企画した研修会
【協賛企画】
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 ミドルリーダー育成を見据え、若手教員が企画・運営する教員研修会が6月24日、水戸市の教育プラザいばらきで開かれた。1人1台端末の効果的な活用をテーマに、茨城県内から約70人が参加。文科省の職員によるワークショップや教員同士の情報交換が行われ、デジタルを活用した教育の知識を深めた。

 研修会は同県内の教員や学校職員で構成する県教育研究会が今年度から始めたもので、今回が1回目。企画・運営は県内5地区からそれぞれ1人ずつ集めた有志の若手教員が中心となって行っている。県内教員の関心が高い事項をテーマにしており、今回アンケートを取ったところ、最も要望が多かったのが1人1台端末の研修だったという。

 昨年度、委員長として、研修会の立ち上げに尽力した水戸市立梅が丘小学校の豊田雅之校長は「茨城県は5地区それぞれで教育文化が異なり、若い世代を中心に県内の教員が一堂に会して、情報交換できる場が少なかった。加えて、若い教員に研修を仕切ってもらうことでミドル世代のリーダーを育成する狙いもある」と説明する。

 研修会では文科省GIGAスクール推進チームの職員5人が講師を務めた。まず、職員が「教員が1人1人に合わせた教材を作るのは大変。情報収集ツールを使えば負担を減らせる。一方で、子供の学びたいことに合わせることで、学習の孤立化が起きる可能性もある。クラウドを使うことで、児童生徒同士で相互参照できるし、インターネットを介せば遠隔地にいる人とも交流できる」と、個別最適な学びと協働的な学びの両面から端末活用の利点を説明した。

文科省のGIGAスクール推進チームが講師を務めた
文科省のGIGAスクール推進チームが講師を務めた

 その後、行われたワークショップではデジタルホワイトボードを使って、授業における端末の活用方法を検討。教員からは「個人・グループ・全体でその場に応じて、話し合いの規模を変えられる」や「挙手する自信がない児童生徒でも意見を言える」といった利点だけでなく、「自分以外も操作できることでトラブルが生まれる可能性がある」や「友達の意見が見えることで合わせてしまうことがある」などの課題も出された。

 水戸市立寿小学校の黒羽友貴教諭は、正式採用されて2年目。児童には毎日、端末を持ち帰ってもらい、連絡帳やテスト前の復習に使っているという。「他の教員がどのように端末を活用しているのかが知れて、いい経験になった。端末はますます活用されるようになると思うが、子供たちにはルールを徹底させながら、これからの時代に適応できるものを教えていきたい」と意気込む。

 また、同校の野村仁教頭は「教員によってICTに対して得意、不得意がどうしてもある。教育の機会均等を考えれば、全ての子供が同じように学習支援できるというのが基本なので、差が生まれないように管理職として体制を整えたい」と話した。

 次回は2学期中の開催を予定している。

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