ChatGPTなど生成AIの学校現場での活用について文科省が策定を進めているガイドラインに関連し、永岡桂子文科相は6月30日の閣議後記者会見で、「発達の段階などを踏まえて生成AIを活用した教育活動が可能であるかどうかの見極めが重要だ」と述べ、低年齢の児童生徒の教育活動での活用には、慎重な検討が必要との認識を示した。ChatGPTなど一部のツールでは利用規約で年齢制限が設けられていることについても触れ、「利用規約の順守はもとより、子どもに生成AIの性質やその限界、メリット・デメリットがあるということを知らせなければいけない」とも強調した。
文科省はガイドラインの策定に向けた詰めの作業を進めており、7月上旬にも公表する方針だ。
検討中のガイドライン案では、学校現場で生成AIを活用する上での基本的な考え方について「年齢制限、保護者同意等の利用規約の順守を前提として、生徒の発達段階や実態を踏まえ、教育活動や学習評価の目的を達成する上で、生成AIの利用が効果的か否かで判断することを基本とする」と整理。適切ではないと考えられる活用法として、▽生成AI自体のメリット・デメリットに関する学習を十分に行っていないなど、情報モラルを含む情報活用能力が十分に育っていない段階で自由に使わせる▽各種コンクールの作品やレポート・小論文などについて、生成AIによる生成物を自己の成果物として応募・提出する▽定期テストなど学習評価に関わる場面で使わせる――などを例示している。
ガイドライン案では、具体的な年齢制限は定めてはいないものの、各サービスの利用規約に準ずる方針を示している。なお、ChatGPTは「13歳以上、18歳未満の場合は保護者の同意が必要」と定められている。
一方で、今回のガイドラインはあくまで活用の適否を判断する参考資料だとして、「一律に禁止や義務付けを行う性質のものではない」とも強調している。