日教組が「働き方改革」で提言 給特法廃止や教員の拡充求める

日教組が「働き方改革」で提言 給特法廃止や教員の拡充求める
緊急提言について説明する日教組のメンバーたち
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 学校現場の長時間労働が是正されず、「教員不足」も深刻化していることを受け、日本教職員組合(日教組)は7月18日、教員の負担軽減などに向けた緊急提言を公表した。公立学校の教員に給与の4%相当を「教職調整額」として支給する代わりに残業代を支払わないことを規定した給特法については、廃止も含めた抜本的見直しが必要だと指摘。また、教員が授業準備の時間を確保したり、さまざまな背景を持つ子どもたちに対応したりするため、教員配置を拡充することが必要だとしている。

 提言は、日教組が以前から訴えている教員の「働き方改革」の政策のうち、優先的に取り組むべきだと考える項目をパッケージとしてまとめたもの。①授業準備時間の確保②高校までの少人数学級の実現③さまざまな背景を持つ子どもたちに対応するための教職員やスクールカウンセラーなどの拡充④学習指導要領の内容削減⑤若手教職員をサポートするための人員拡充を含めた業務削減⑥文科省の責任による業務の見直しや適正化の推進⑦給特法の廃止・抜本的見直し――の7つを掲げた。

提言の内容をまとめたパンフレット
提言の内容をまとめたパンフレット

 提言の中には盛り込まなかったものの、日教組は①の「授業準備時間の確保」を実現するための手法として、教員1人当たりの受け持ち授業数(持ちコマ数)に上限を設けることを求めている。また、③や⑤を推し進めるため、教員定数を算定する際に用いられる「乗ずる数」を改善し、学級数を上回る教員を充実させることを提案している。一方、給特法の廃止・見直しを求める理由については、「勤務時間内に仕事が終わるようになることが最も大切だ。残業代が支給されるようになれば、しっかりした勤務管理がされるようになる」と説明している。

 このタイミングで提言を取りまとめたのは、中教審で「働き方改革」の議論が進む中、問題提起を図る狙いがある。文科省で記者会見した山木正博書記長は「学校現場の負担軽減を図ることが最優先だと考え、提言の内容は『働き方改革』に絞ることにした。これとは別に教員の処遇改善も必要だと考えている」と話した。

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