「3年後は教員の残業を月20時間に」 萩生田政調会長が意欲

「3年後は教員の残業を月20時間に」 萩生田政調会長が意欲
教員の「働き方改革」の推進に意欲を示す自民党の萩生田政調会長
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 自民党の萩生田光一政調会長は7月18日、教育新聞の単独インタビューに応じた。自身が委員長を務める党特命委員会の提言が掲げた「教員の月平均の残業時間を20時間程度に抑える」との目標について、「3年後をゴールとしたらいいのではないか」と述べ、2026年度の実現に意欲を示した。また、文科省が現在進めている小学校高学年の教科担任制について、受け持ち授業数(持ちコマ数)を週20コマ程度に抑えるために一層強化し、できるだけ早期に基礎定数化することが望ましいとの認識を示すとともに、小中学校の教員全体の持ちコマ数を抑制していくことにも前向きな考えを表明した。

 特命委が5月に取りまとめた提言は、現行は給与の4%と規定している「教職調整額」について、少なくとも10%以上に引き上げる必要があるとの認識を示した。また、「10%」の妥当性を担保するため、実質的な残業時間に当たる「時間外在校等時間」を勤務時間の約10%に当たる月20時間程度まで圧縮することを目指すとした。

 萩生田氏は18日のインタビューで、「月20時間程度」の実現時期について、2024~26年度の3年間を集中改革期間と位置付けたことを踏まえ、「3年後には『昔は(月の残業が)41時間とか言っていたよね』と思えるようなところまで近づけていけたらいい」と語った。また、「(提言に盛り込まれた政策が)どれか1つ抜けても難しい」と語り、小学校高学年の教科担任制の強化や教員業務支援員の全校配置などの実施を政府に働き掛けていく考えを示した。

 一方、現在は不安定な「加配定数」を使って進めている小学校高学年の教科担任制については、「加配でやっていると一過性のものになる。毎年、財務省と予算折衝をする文科省も大変だ」と述べ、できるだけ早く安定的な「基礎定数」に変えることが望ましいとの考えを述べた。小学校高学年の教科担任制と同様に、持ちコマ数を抑制していく発想を小中学校の教員全体に拡大していく必要があるかとの質問に対しては「もちろんだ」と答えた。

 萩生田氏は小学校全学年の「35人学級」や教員免許更新制の廃止といった政策を政府・与党内の慎重論を押し切って実現してきたことを強調し、「私が特命委員長なのだから、引くわけがない。3年くらいで環境を良くするので、先生たちはプライドを忘れずに頑張ってほしい」と呼び掛けた。

 インタビューでは教員の「働き方改革」の進め方に加え、今後のGIGAスクール構想の展望や教育政策を実現する上での党の役割などもただした。詳しい内容は19日以降、2回に分けて掲載する。

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