滋賀県長浜市で放課後児童クラブの活動としてプールで遊泳していた児童が亡くなったことを受け、こども家庭庁は7月27日、放課後児童クラブにおける安全管理の徹底を求める事務連絡を、各都道府県・市区町村の放課後児童健全育成事業局に向けて発出した。翌28日の閣議後記者会見で小倉将信こども政策担当相は「死亡事故が繰り返されないよう、予防のためのこどもの死亡検証(Child Death Review)の取り組みも一層強化し、事故防止策を全国で共有する仕組みを構築していく」と強調した。
小倉担当相は7月28日の閣議後記者会見で、同21日に福岡県宮若市を流れる犬鳴川で小学6年生の女子児童3人が溺れて亡くなった事故と、同26日に滋賀県長浜市で放課後児童クラブの活動としてプールで遊泳していた際に児童1人が亡くなった事故について触れ、「心からお悔やみ申し上げるとともに、それぞれの地域において残された方へのグリーフケアをしっかりと行っていただきたい」と述べた。
こども家庭庁は、「こどもの事故防止ハンドブック」において川遊びではライフジャケットを着用の上、必ず大人が付き添うようにすることを周知してきたが、小倉担当相は「今回の事故を受け、改めてSNSなどを通じて、川や海も含めた子どもの水難事故について注意を徹底して呼び掛けていく」とした。
また、保育所やこども園などに対しては、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」において、プール活動や水遊びを行う際の監視体制や注意すべきポイントを示して周知してきたが、今回の長浜市での事故を受けて、改めて放課後児童クラブにおける安全管理の徹底について、各都道府県などに対して周知徹底を図るよう、7月27日に事務連絡を発出した。
加えて、放課後児童クラブについては、事故やけが防止のためのマニュアル策定をこれまでも求めており、9割以上の事業所でマニュアルが策定されている。小倉担当相は「全ての事業所でマニュアルが策定されるよう、改めて要請する」とし、今回の事故を踏まえ、放課後児童クラブにおいてプール活動を行っているかどうかや、行っている場合にプール活動に関する事故防止マニュアルが策定されているかどうかの実態把握を行い、必要な対応を検討していくとした。
小倉担当相は「注意喚起を促すと同時に、死亡事故が繰り返されないよう、予防のためのこどもの死亡検証(Child Death Review)の取り組みも一層強化し、事故防止策を全国で共有する仕組みを構築していく」と強調。
また、放課後児童クラブと学校との連携について、「教育現場と学童との連携は、『新・放課後子ども総合プラン』などでも示しており、子どもの育成・支援においても非常に重要であると考えている。文科省とのさらなる連携を通じて、安心安全な放課後の居場所づくりを進めていきたい」と述べた。