小学校高学年の教科担任制や業務支援員の拡充 概算要求の項目に

小学校高学年の教科担任制や業務支援員の拡充 概算要求の項目に
自民党の文部科学部会であいさつする中村部会長(奥)
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 文科省は8月3日、自民党文部科学部会で2024年度の当初予算編成に向けた概算要求の大まかな項目を示した。文科省側の説明は非公開で行われたが、出席者らによると、教員の「働き方改革」の観点では、受け持ち授業数(持ちコマ数)の削減に効果がある小学校高学年の教科担任制の強化、プリント印刷や採点業務のサポートなどを担う「教員業務支援員」の拡充、部活動の地域移行の推進などが盛り込まれた。具体的な配置人数や予算額などは現時点では定まっておらず、今後調整を進めていくことになる。

 政府が6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)は、24年度以降の3年間を「働き方改革」の集中改革期間と位置付け、小学校高学年の教科担任制の強化などを24年度から速やかに進めるとしていた。また、小中学生に1人1台のタブレットなどを配備する「GIGAスクール構想」についても、24年度に端末の買い替え時期を迎える自治体があることを踏まえ、「国策として更新を着実に進める」との表現が盛り込まれた。

 3日の部会終了後、取材に応じた中村裕之部会長(衆院議員)は、文科省が示した概算要求の項目について、骨太の方針に沿ったものになっていたとの認識を示した上で、「実際に数字として表さなければならないので、しっかりと予算を確保できるように政官ともに頑張りたい」と語った。また、教育活動における生成AIの活用に向けた実証を進めるとの項目も盛り込まれていたことを明らかにした。

 24年度当初予算案の概算要求は8月末までに公表される見通し。自民党の特命委員会が5月にまとめた提言は、▽文科省が25年度までの4年間で加配定数を計3800人増やす形で進めている小学校高学年の教科担任制について、完成時期を24年度に早める▽教員業務支援員を全ての小中学校に配置する▽スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、部活動指導員などのスタッフの配置時間を抜本的に拡充する――といった政策を政府に求めており、24年度の予算でどの程度反映できるかが焦点となる。

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