働き方改革やGIGAスクールの推進へ予算拡充を 政令市が要望

働き方改革やGIGAスクールの推進へ予算拡充を 政令市が要望
永岡文科相(中央)に提案書を手渡す、さいたま市の清水市長(左)と江原議長
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 2024年度当初予算案の概算要求に向け、全国20カ所の政令市長でつくる「指定都市市長会」と議長で構成する「指定都市議長会」は8月4日、教員業務支援員などの支援スタッフ配置拡大や「GIGAスクール構想」の端末更新に向けた国の財政措置などを求める提案書を、永岡桂子文科相に提出した。

 提案書は24年度の予算編成に向け、各省庁への要望をまとめたもの。文科省に求める内容としては、▽教員不足への対応と「働き方改革」の推進▽GIGAスクール構想の推進に向けた予算の充実▽義務教育施設の整備促進――などが盛り込まれている。4日は政令市の代表として、さいたま市の清水勇人市長と江原大輔議長が永岡文科相と面会し、提案書を手渡した。

 教員不足への対応や「働き方改革」では、部活動指導員や教員業務支援員、スクールロイヤーといった支援スタッフを充実させるとともに、小学校での教科担任制の拡大に向けた取り組みも進めるよう求めた。また、育児休業で欠員となった教員の補充分を基礎定数化し、正規教員を充てることができるようにする制度改正も要求した。さらに、個々の子どもたちのニーズに応じた教育の実現に向け、2人以上の養護教諭を全校に配置するとともに、理学療法士や医療的ケアを担う看護職員、常勤のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといったスタッフを教職員定数に組み込み、人件費を国庫負担の対象にすべきだとした。

 GIGAスクール構想の部分では、小中学生に配備した1人1台の端末が早ければ24年度に更新時期を迎えることを踏まえ、買い替え費用に加え、故障対応などのランニングコストも国が継続的に支援するよう求めた。また、現在は国庫補助の対象となっていない高校生の端末購入費も補助対象に含めることが必要だと指摘した。4校に1人程度の想定で地方交付税を措置しているICT支援員の配置についても、「1校に1人」を前提にすべきだと主張した。

 義務教育施設の整備に関しては、空調施設の設置やバリアフリー化、小学校の35人学級化に伴う教室増に対応した財源の確保などを求めた。

 清水市長は面会後、報道陣の取材に対し、「仕事に魅力を感じていても、働き方に無理があるという理由で、教員になるのをためらう若い人が増えていると思う。処遇改善や仕事の役割分担を進めていかないといけない」と訴えた。

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