新採教員の奨学金を減免 教員不足対策で文科省が予算要求へ

新採教員の奨学金を減免 教員不足対策で文科省が予算要求へ
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 全国で深刻になっている「教員不足」の対応策として、文科省は新たに教員になった人を対象として、日本学生支援機構の貸与型奨学金の返済を減免する事業を2024年度当初予算の概算要求に盛り込む方針を、8月4日までに固めた。複数の同省関係者への取材で判明した。対象者の条件については、教職大学院を修了するなど高いレベルの専門性を身に付けて教員となった人を中心に、幅広い新規採用者が恩恵を受けられることを目指して制度設計を進める。

 教員に就いた場合の奨学金の取り扱いを巡っては、自民党の特命委員会が5月にまとめた提言も、優れた人材が教員になることを後押しするため、一定期間以上勤務した場合に返済を免除したり、軽減したりする仕組みを作るよう求めていた。

 一方、日本学生支援機構の前身である旧日本育英会の貸与型奨学金には、教職や研究職に就いた場合、返済が免除される制度があったものの、他の職業との公平性などに配慮し、大学生は1998年度入学者から、大学院生は同機構が設立された2004年度の奨学生採用者から廃止された経緯がある。

 このため、文科省幹部の一人は「教員だけが優遇されているという話にならないよう、きちんと社会に説明できる制度にする必要がある」としている。

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