2022年の児童生徒の自殺者数が過去最多を更新するなど、子どもの自殺が高止まりしていることを受け、超党派の国会議員でつくる議員連盟「自殺対策を推進する議員の会」が8月8日、必要な予算の確保などを求める緊急要望書を永岡桂子文科相に提出した。都道府県や市町村が展開している自殺対策について、「予算不足によって十分に進められていない」と現状の課題を指摘。6月に取りまとめられた政府の「こどもの自殺対策緊急強化プラン」などに基づき、全ての都道府県と政令市が「子ども(若者)の自殺危機対応チーム」を設置し、児童生徒が必要な支援を受けられる体制が早期に整うようにするため、国が必要な予算を確保するよう求めている。
この日は、同議連の会長を務める自民党の武見敬三参院議員ら与野党の国会議員4人と、議連のアドバイザーを務めているNPO法人「ライフリンク」の清水康之代表が文科省を訪れ、永岡文科相に要望書を手渡した。
6月に示された「こどもの自殺対策緊急強化プラン」は、子どもたちの自殺予防策として、多様な専門家で構成する「若者の自殺危機対応チーム」の全都道府県への設置を目指すとしている。要望書では、こうしたチームの設置・運営に必要な予算を確保するとともに、子どもの自殺対策を所管する文科相、厚労相、こども政策担当相の3者による連名で、都道府県知事や政令市長らにチーム設置を文書で呼び掛けることも求めている。後日、加藤勝信厚労相にも同じ要望書を提出するほか、小倉将信こども政策担当相にも面会を求めている。
永岡文科相と面会後、同議連の事務局長を務める国民民主党の川合孝典参院議員は「コロナ禍以降、子どもの自殺者数が跳ね上がった状態が続いている。このまま高止まりしないよう、関係省庁には注意喚起をしたい」と語った。