プール活動のマニュアル策定 実施する学童保育の4割以下

プール活動のマニュアル策定 実施する学童保育の4割以下
学童保育で行われている児童の入水を伴う活動(複数回答)
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 プールなどの児童の入水を伴う活動を実施している放課後児童クラブ(学童保育)のうち、これらの活動に関する安全対策マニュアルを策定しているのは4割に満たないことが8月18日、こども家庭庁が行った実態調査で分かった。7月26日に滋賀県長浜市で学童保育のプール活動中に小学1年生の男子児童が死亡した事故を受けて行ったもので、同庁では調査結果を踏まえ、自治体などに向けて学童保育における水の重大事故防止に努めるよう通知した。

 調査は7月28日時点で学童保育を実施している全国の市区町村に対して実施。学校が主催する活動を除く、プールや川、海など、児童の入水を伴う活動を実施している学童保育は4315カ所で、全体の16.8%を占めた。このうち、これらの活動についての安全対策などのマニュアルを策定しているのは1597カ所で、プール活動を実施している学童保育の37.0%にとどまった。

 具体的な活動内容を複数回答で尋ねたところ、▽学校施設のプール 1327カ所▽市民プールやスポーツクラブなど学校以外の施設のプール 1514カ所▽事業所の所持しているプール 322カ所▽組み立て式など、移設・撤去が容易で小学生が泳げる簡易プール 886カ所▽海、川、湖などの自然環境 954カ所――だった。

 調査結果を受けてこども家庭庁では、自治体の放課後児童健全育成事業担当者に向けて、学童保育のプールなどの活動の重大事故防止について通知。学童保育を行う事業所に対し、それぞれの運営や環境に合わせた安全対策マニュアルの策定に向けて指導するよう要請した。

 プールなどの活動を行う際には、監視体制や職員研修、児童への安全指導、緊急事態への対応などの安全対策マニュアルを作成し、全ての職員に理解させ、必要に応じて研修や訓練を実施すること、使用するプールの水深や管理体制、天候などの状況を事前に把握すること、夏休み中はパート・アルバイトを配置するなど、通常と異なる体制になる懸念がある場合は、プール活動の中止などの判断をすることなどを求めた。

 また、学童保育では異なる学年の児童が一緒に活動することから、個々の児童の発達段階や泳力、心身の状況を把握した上で活動内容を検討したり、小学校で行われている水泳指導の内容を確認したりすること、学童保育を離れて学校のプール教室に参加・引率する場合は、学校の職員と事前協議を行い、放課後児童支援員との業務内容を明確にしておくことや、当日の参加児童人数の把握・引き継ぎを徹底するなどの留意点も示した。

 こども家庭庁では今後、プールなどに関する安全対策マニュアルの実例を収集し、自治体などに情報提供していく方針。

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