熊本県教育委員会は8月16日、2022年度の県内の公立学校の働き方改革推進プランの検証報告書を公表した。県立学校では年の時間外在校等時間が360時間以内の教職員の割合は54.7%で、前年度から4.1ポイント増えた。一方で、市町村立学校で月80時間を超える時間外在校等時間があった教職員に対して、複数回答で主に行っている業務について尋ねたところ、「諸調査等の事務処理」が前年度より大幅に増えていた。
県教委では20年8月に「熊本県の公立学校における働き方改革推進プラン」を策定し、20~23年度の4年間で教職員の労働時間の削減に取り組むこととし、年度ごとに達成状況などを検証している。
公表された22年度の検証報告書によると、県立学校ではプランで設定されている13の指標のうち、10の指標で改善。特に、ノー残業デーを設定した学校の割合は79.5%で前年度比3.6ポイント増、部活動指針・部活動方針に沿った活動時間や休養日を確保している学校の割合は95.9%で前年度比5.7ポイント増などが目立った。
特別支援学校や中学校を含む県立学校全体で時間外在校等時間が月45時間を超えた割合は24.1%(前年度比1.1ポイント減)で、そのうち月80時間を超えていたのは5.1%(同0.1ポイント増)だった。時間外在校等時間が年360時間以内の割合は54.7%で、前年度より4.1ポイント増えた。
定時制を除く県立高校の時間外在校等時間で、平均時間数が長かった業務をみると、校務分掌等が10.4時間、部活動指導が9.2時間などだった(=グラフ1)。
市町村立学校では、在校等時間が月45時間を超える割合は小学校で26.7%(同1.4ポイント減)、中学校で40.9%(同0.3ポイント増)、そのうち、月80時間を超えていたのは小学校で1.7%(同0.1ポイント増)、中学校で7.9%(同0.1ポイント減)だった。
時間外在校等時間が月80時間を超えている教職員が、時間外在校等時間に行っている主な業務を複数回答でみると、小学校では校務分掌(48.6%)や教材研究等(44.1%)、諸調査等の事務処理(45.2%)が、中学校では部活動(69.2%)や教材研究等(59.7%)、校務分掌(59.6%)が多いことが分かる。特に、諸調査等の事務処理を行っていると回答した教職員の割合は、前年度と比べ小学校で9.1ポイント、中学校で12.7ポイントと大きく増えていた(=グラフ2)。
諸調査等の事務処理の割合が増えたことについて県教委の担当者は「理由までは尋ねていないので分からないが、増えていることは受け止めないといけない」と話している。