全国的に記録的な猛暑が続く中、一部地域の学校で新学期が始まっていることを受け、永岡桂子文科相は8月25日の閣議後会見で、「この先も気温の高い日が続く見込みで、休業日明けは特に熱中症リスクが高まることが考えられる」と指摘し、「全国の学校には、暑さ指数などで熱中症の危険度を把握した上で、各種活動の実施を判断するようお願いしている。しかしながら暑さ指数だけに頼るのではなく、現場にいる児童生徒の様子をしっかり観察して、熱中症事故の防止にあらゆる面から万全を期すことを改めて徹底してほしい」と、夏休み明けの熱中症対策に一層注意を払うよう呼び掛けた。また同省は23日付で全国の教育委員会などに対し、休業日明けの熱中症事故の防止を巡り、児童生徒の体が暑さに慣れていない点を考慮して対策にあたるほか、「暑さ指数」の測定など危険度を把握した上で活動の有無を判断するよう改めて文書で求めた。
23日に出された事務連絡では、「特に休業日明けの時期は、子供たちが暑さや運動等に体が慣れていない場合があり、熱中症事故の発生リスクが高い時期」と説明した上で、活動の有無を判断するポイントや児童生徒への指導方法について方針を示した。
熱中症の危険性を判断する基準について「暑さ指数」を用いるのが有効としたほか、「熱中症警戒アラート」なども参考にし、活動の有無を判断するよう改めて要請。一方で環境省や気象庁が発表する情報だけでなく、実際に活動する場所で「暑さ指数」を計測するなど、現場で熱中症の危険度を適切に把握するよう求めた。また「暑さ指数」や「熱中症警戒アラート」を踏まえ活動を実施する場合でも、児童生徒の様子をよく観察して、熱中症事故の防止策を講じるよう警鐘を鳴らした。
児童生徒への指導を巡っては、▽暑い日は帽子などで日差しを遮る、通気性・透湿性の悪い服装を避ける▽運動するときは前後を含めて適切に水分補給し休憩をとり、自分自身でも体調をよく観察する▽運動後は気象状況も踏まえつつ、十分にクールダウンするなど体調を整えた上でその後の活動を行う▽下校前に運動した場合も、十分にクールダウンするなど体調を整えた上で下校する▽体調不良で下校などが困難だと感じた場合は、ためらうことなく教職員に申し出る――などと整理。併せて、保護者に対しても熱中症対策について情報提供するなど、連携を図るよう求めた。