最先端プロジェクトを授業に! 渋谷キューズで教員研修

最先端プロジェクトを授業に! 渋谷キューズで教員研修
プロジェクトを授業に落とし込む教員ら
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 社会課題の解決など多様な最先端のプロジェクトに取り組む人たちと教員が、未来の授業をデザインする――。東京都板橋区立板橋第十小学校(冨田和己校長、児童597人)の教員らが9月1日、東京都渋谷区にある企業やスタートアップ、自治体、大学などの人々がプロジェクトを通じて交流する会員制共創施設「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」で、「未来の授業の可能性を形にしよう!」というテーマでワークショップ型の教員研修を行った。教員らはグループに分かれ、渋谷キューズに所属するさまざまなプロジェクトメンバーのプレゼンテーションをヒントに、彼らが取り組むプロジェクトを活用した授業を構想した。

 渋谷キューズでは3カ月ごとに「QWSチャレンジ」と呼ばれる「未知の価値に挑戦するプロジェクト」を公募しており、採択されると施設内のプロジェクトスペースを無料で利用できる。同小で探究学習の実践を追究する校内の有志による組織「板橋第十小学校の研究を面白くする会」がこの「QWSチャレンジ」に応募したところ、8~10月の第16期のプロジェクトとして採択され、この日の研修が実現した。

 研修では同小の教員と渋谷キューズに所属するプロジェクトメンバーがグループになり、まずはどのようなプロジェクトなのかを教員に説明。その後、ディスカッションをしながら、そのプロジェクトを活用してどういった授業をやってみたいかを検討した。

 例えば、遠隔操作で移動しながら、内蔵されたカメラ越しにその場にいる人とコミュニケーションできるロボットを活用し、歴史的建造物の中を移動しながら距離や時間、速さの計算をする「社会」と「算数」の教科横断型の授業を提案したグループや、文字のフォントから感じ取るイメージの違いに着目し、同じセリフ内容ながらフォントを変えた台本を用意して劇をしたら、どう演技や表現が変わるのかを試してみようというグループなどがあった。

 研修会を終えて冨田校長は「渋谷キューズに来た教員らの表情やグループでの会話を見聞きすると、やってよかったなと思った。こういう体験をすることが私たちの仕事ではなかなかなく、どうしても閉じられた環境になってしまいがちなので、視野を広げるという意味でも効果があった。今後、授業でも実際に学校外のさまざまな人とつながっていくきっかけになるのではないか」と手応えを感じていた。

 9月末には、今度は渋谷キューズのプロジェクトメンバーが同小を訪れ、4年生と6年生の児童らと交流するキャリア教育の授業も予定されている。

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