ICTを使った遠隔授業を少なくとも1学部以上で実施している大学が、2021年度に70.1%となったことが、文科省が9月8日に発表した「大学における教育内容等の改革状況」の調査結果で明らかになった。前年度より20ポイント以上増加しており、文科省の担当者は「コロナ禍が続く中、通信環境の整備や教育方法の改善がはかられたことが背景にあるのでは」と分析する。
21年度の時点で、遠隔授業を実施している大学は527校(70.1%)で、前年度(49.5%)と比べて20.6%増加した。新型コロナウイルス感染拡大前の18年度は28.4%、感染拡大が始まった19年度には37.1%で、コロナ禍の中で急激に遠隔授業への対応が進んだ。
遠隔授業の実施方法は、「テレビ会議システムなどリアルタイム配信システム(ネット配信を含む)を活用した遠隔教育」が最も多く81.0%。5年前と比べて56ポイントと大幅に増加した。次いで「ビデオ・オン・デマンド・システムなどリアルタイム配信以外のシステム(ネット配信を含む)を活用したeラーニングによる遠隔教育」で76.9%、「学習管理システム(LMS)を利用した事前・事後学習の推進」が75.3%だった。
今回の調査は、21年度の学校基本調査のデータにある803大学のうち、短大などを除いた国公私立793大学を対象に行い、98%に当たる775大学から回答を得た。実施期間は22年10月~23年1月。