「ルンバ」の開発者がプログラミング授業 東京・下北沢小で

「ルンバ」の開発者がプログラミング授業 東京・下北沢小で
児童にアドバイスするアングルCEO(中央)
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 ロボット掃除機「ルンバ」の生みの親であるアイロボット社のコリン・アングルCEOが9月14日、東京都世田谷区立下北沢小学校(大字弘一郎統括校長、児童741人)を訪れ、小学2年生のプログラミングの授業の講師を務めた。同社が開発した、ルンバをモチーフにしたプログラミングロボット「Root(ルート)」を使い、アングルCEO自らが児童に向けてプログラミングのポイントをアドバイスした。授業後、取材に応じたアングルCEOは、プログラミング教育について「言語を学ぶのと一緒で、(始めるのが)早ければ早いほどどんどん上達する」と話した。

 今回の授業は、同社の「STEMプログラミング出張授業」の一環で実施された。同社のスタッフチームが講師として学校を訪問し、プログラミングロボット「ルート」や、ルンバと同型の「クリエイト3」を使って、児童にプログラミングの知識をレクチャーする。

 授業の冒頭でアングルCEOがサプライズで登場すると、児童たちは湧き立った。まず前半では、身の回りのロボットやアニメに出てくるおなじみのロボットなどを示し、児童はロボットに対するイメージを膨らませた。同社の製品であるルンバを手にしながら、アングルCEOは「人の代わりにいろいろな作業や仕事を自動でやってくれる」などと説明。モノ作りが好きだった自身の幼少時代のエピソードを披露し、それがこれまでの発明につながっていると児童に語り掛けた。

 次に児童はグループに分かれ、「ルート」を使ってプログラミングに挑戦。スタッフから示されたカードの通りにルートを動かすミッションが課された。同プログラムでは、プログラミングのレベルが3段階から選べるようになっている。最初は最も簡単なレベルから始め、動きがイラストで描かれたアイコンを組み合わせながらコードを組んだ。日頃からタブレットを使いこなしている児童は慣れた手つきで端末を操作し、ルートが思ったように動かないとすぐさま手元の端末でコードを修正していた。

児童同士がアイデアを出し合いながら、ミッションに挑んだ

 授業の後半では、ルンバと同型の「クリエイト3」のプログラミングに挑んだ。ルートより大きなロボットを動かすことに、児童は興奮した様子だった。プログラミングのレベルも一段アップし、指示がテキストで書かれたアイコンを組み合わせて、障害物を避けながらゴールに向かうミッションに挑んだ。児童はマスの大きさを考慮したり、回転する角度を数字で指定したり、先ほどより細かい指示を出していた。クリエイト3を斜めに動かし障害物を避ける独自のアイデアで課題をクリアするチームもあり、アングルCEOをうならせた。

 アングルCEOは各チームを回り、児童の成果をねぎらったり、アドバイスを送ったりと、授業を盛り上げた。「本物のルンバのようにスムーズに動く方法を伝授するよ」と実際にプログラミングする姿もあり、児童は目を輝かせながら聞き入っていた

 授業の最後、アングルCEOは「世界にはロボットがまだまだ必要。みんなが考えたロボットと出会えるのを楽しみにしている」と児童に向けてメッセージを送った。

 授業後、取材に応じたアングルCEOは「子どもたちの思考や、自分たちで新しい物を作っていくイノベーションが非常に早くて驚いた」と、児童の学びの姿を評価した。その上で「プログラミングは言語を学ぶのと一緒で、(始めるのが)早ければ早いほどどんどん上達する。今回は小学2年生に対しての授業だったが、早過ぎることはないし、もっと早くてもいいくらいだ」と語った。

 同じく取材に応じた同小の大字統括校長は「本物のルンバを作った人たちが目の前で教えてくれる経験は、児童にとって大きい。自分たちが今学習していることは、ここにつながるんだと本気で思えたのではないか。教員が教えると勉強になってしまうが、(外部から講師を招くことで)学習と実生活が結び付きやすいと思う」と感想を述べた。

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