男子高校生が運動部をやめる要因 競技レベルと関連あり

男子高校生が運動部をやめる要因 競技レベルと関連あり
運動部に所属する男子高校生が早期離脱する関連要因(明治安田厚生事業団提供)
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 明治安田厚生事業団はこのほど、男子高校生を対象に行った、運動部活動を途中でやめてしまう要因を探った追跡調査の研究成果を発表した。運動部を途中で退部してしまう背景には、競技戦績の低さや競技継続期間が短いなどの、競技レベルとつながりが強いと考えられる要因が多く挙げられると指摘した。

 この研究は日本体育大学と共同で実施された。2017年5月に運動部活動が盛んな私立の男子高校に通う1年生のうち、運動部に所属する331人の生徒に最初の調査を行い、19年10月に同じ生徒に2度目の調査を実施。彼らのうち、2年生の終わりまでに退部した41人を「早期離脱」と定義して、分析を行った。早期離脱の生徒のうち、1年生の段階で退部したのは19人、2年生の段階で退部したのは22人だった。

 その結果、体重や肥満度の指標であるBMIの値が低い、けがやスポーツ障害などの経験がない、競技戦績が低いまたはない、競技継続期間が短いといった特徴が、早期離脱と関連していた。このことから、さまざまな競技レベルの生徒が参加する運動部活動では、部員同士を比較するよりも、個々の部員の技能の発揮や向上を重視する雰囲気をつくることが、早期離脱の予防の鍵を握ることが示唆された。

 研究成果は8月16日付のスポーツ科学分野の国際学術誌『Frontiers in Sports and Active Living, section Sport Psychology』に掲載された。

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